○作物名:ムギ
○病害名:雲形病・斑葉病
○概要
ともにオオムギにだけ発生する病気である。雲形病は、明治36年に国内では本県で初めて発生が確認された病害であり、昭和20年代には大発生して大きな被害を及ぼした。近年オオムギの栽培が増加し発生が増えている。また、斑葉病は、種子消毒が十分に行われないために、最近著しく増加した病害である。
○病徴と診断
雲形病
春の茎立ちの頃から目立ってくる。はじめ葉に水浸状の白斑ができる。のち灰白色〜灰緑色になり、周縁ははっきりした赤褐色で、長さは2〜3cmのイネのいもち病に似た紡錘形の病斑になる。病斑がたくさんできると互いにー緒になって不規則な雲形の大型病斑になり、葉は早く枯れ上がる。葉鞘にも同様の病斑ができるが稈にはできない。
斑葉病
春、伸長期に入る頃、葉に細長い黄白色の条ができ、しだいに黄褐色となり、葉脈に沿って縦に裂ける。のちに黒褐色となり表面にすす状の黒いかびがたくさんでき、葉鞘も枯死する。生育が遅れ草丈が低く出穂しないものが多い。1株の全部の茎が発病し、出穂の前後に枯死するのが普通である。
○発生生態
雲形病
本病にかかった種子を播くと、はじめに子葉鞘に病斑ができる。そこに胞子をつくり、これが広がって本葉に発生する。また、被害麦わらも伝染源になる。覆土が浅いほど発病しやすい。早播、厚播、窒素肥料の多施は発病を多くする。
斑葉病
種子により伝染する。果皮内や種子に付着した病原菌は、発芽とともに子葉鞘などに侵入し次々と葉の基部を侵す。葉が展開すると菌のいる部分が条になる。種子が最も感染しやすいのは乳熱期であるので、乳熟初期に雨が多いと発病が増加する。また、播種期が遅く播種期の気温が低いと発病が多くなる。とくにニ条ムギでの発生が多く、裸麦は少ない。
資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑
○外部リンク日本植物病名データベース
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