○作物名:ムギ
○病害名:うどんこ病、黒節病、株腐病
○概要
オオムギ、コムギの両方に発生するが、本県ではいずれもオオムギでの発生が多い。
○病徴と診断
うどんこ病
4月頃から下葉に白色粉状の病斑が発生し、しだいに上葉にも広がり、葉鞘、茎、穂にも病斑をつくる。成熟期近くには灰白色のかびのなかに黒い小粒(子のう穀)ができる。罹病葉は早く枯れ上がり、稔実が悪く、細麦が多くなり、多発すると30%程度の減収になる。
黒節病
生育初期に発生すると株全体が黄化し、立枯となる。後期の発生では、葉にはじめ水浸状の細長い病斑ができ、のちには黒褐色〜黒色の条斑になる。葉鞘にも黒褐色の条斑ができ、節も黒褐色になって、これから出ている葉は枯死する。多発すると30%以上の枯死茎率になり、かなりの減収になる。
株腐病
茎立ちをすぎた頃から生育が悪くなり、下葉が黄化して枯れ上がる。葉鞘にイネの紋枯病に似た大きな病斑ができ、のちには稈にも同様の病斑ができる。病斑が程をとり巻くと、その上部の穂は稔実が悪くなったり、倒伏しやすくなる。
○発生生態
うどんこ病
秋に発生した株や、被害麦わらなどについて冬を越した子のう穀が春の伝染源になる。春が温暖、多雨でムギが早くからよく繁茂した年は発病が多い。また、風通しや日当りの悪い場所、晩播、窒素肥料の多施、追肥の遅れなどで軟弱過繁茂になったものにも発生が多くなる。オオムギとコムギでは病原菌が異なっていて相互に感染しない。
黒節病
種子により伝染する。暖冬の年や、風通しや排水の悪い土地、早播、密幡の場合に発生が多く、水田裏作の畑には少ない傾向がある。窒素肥料の多施、移植、麦ふみ、土いれは発病を助長する。
株腐病
土壌や被害茎葉中の菌糸、菌核が伝染源になる。早掻きすると発病が多い。多肥、密播、温暖多雨の年にはムギが繁茂して株間の湿度が高くなるので発病が多い。
資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑
○外部リンク日本植物病名データベース
お問い合わせ先
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島根県農業技術センター 〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380 nougi@pref.shimane.lg.jp <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方> 迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。 以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。 @pref.shimane.lg.jp