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○作物名:ムギ

○病害名:縞萎縮病


縞萎縮病

○概要
ムギ類の縞萎縮病には、コムギに発生するコムギ縞萎縮病とオオムギに発生するオオムギ縞萎縮病がある。島根県では、コムギ縞萎縮病は昭和初期に発生がみられたが、近年は抵抗品種の栽培が多くなりほとんど発生を認めていない。オオムギ縞萎縮病は、八束町、安来市、出雲市などで発生し問題となっている。

○病徴と診断
2月下旬〜3月上旬頃から葉に黄緑色の細長いかすり状の斑点ができ葉先から黄変する。下葉は黄変し褐色のえ死斑点ができる。新葉はやや細めで内側に巻き、淡黄緑色の退色斑ができ、次の葉が出る頃にモザイク症状になる。病株は分げつが減り、草丈が低くなる。また、根の伸長が悪く、新根の発生は少ない。ビールムギはとくに発生しやすく、葉はひどく黄変して、褐色のえそ斑ができ、茎立ち後に枯死することがある。軽症のものは気温の上昇につれて回復するが生育不良で、穂は小さく稔実が悪い。

○発生生態
病原は土壌伝染性のウイルスである。このウイルスは、発病したムギの残根に寄生したポリミキサ菌というかびとともに土壌中にいる。ムギが播種されると、ウイルスを保毒したポリミキサ菌の遊走子が根に寄生し、ウイルスが侵入する。侵入は播種後10日頃には認められ、30〜40日で最高になる。ウイルスは土中の比較的浅いところに存在しているので、3〜15cmでの感染が多い。
感染の適温は10〜15℃である。このため早播きしたり、播種後の気温が高く降水量の多い年には発生が多い。オオムギ縞萎縮病とコムギ縞萎縮病は別のウイルスによって起こるので相互に感染しない。

○防除法
発病してからは防除法がないので発病地では次の点に留意する。
1.耐病性品種を栽培する。発病地ではオオムギ、コムギを入れかえる。
2.早播きをさけて、11月10〜15日ごろ播種する。
3.堆肥、石灰を過用しない。また堆肥あるいは生わらを施用する場合には播種前にすき込むようにする。
4.深さ30cmくらいの反転耕耘は地表近くに多い本菌の菌量を低下させ発生を少なくさせる。しかし、トラクタ耕起などで病土が分散する恐れがあるので発生圃場を最後に行うなど注意する。
5.発病をみた場合には窒素肥料を迫肥して生育の回復をはかる。

資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑

 

○外部リンク日本植物病名データベース

コムギ縞萎縮病(外部サイト)

オオムギ縞萎縮病(外部サイト)


 


お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
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