○作物名:メロン
○病害名:えそ斑点病
○概要
これは,メロンえそ斑点ウイルス(MNSV)によって起こるウイルス病で,昭和35年わが国で発見された比較的新しい病気である。島根県では50年代になってから発生し,最近,この病気に弱いアールス系メロンの栽培面積が増えるにしたがって,各地で問題となっている。
○病徴と診断
葉,茎,葉柄,果梗,果実,根などあらゆる部分にえそ症状がでる。葉では,生長点付近の若い葉全体に,CMVによるモザイク病のようなぼんやりとした黄色斑点ではなく,えそをおこした褐色の小斑点が多数できる。また,葉にはこのほかに葉脈に沿って,枝分かれ状のえそや不正円形の大型の斑点ができる。茎,葉柄,果梗にはすじ状のえそを生じる。茎では,そのほかに生育初期に鳥あしなどと呼ばれる茶褐色のえそが地際部にでき,茎を取り巻きながら上の方に拡大していく症状がみられる。根は褐色に変色して,細根がなくなることが多く,萎ちょうする場合もある。果実にはあまりはっきりした症状は現さないが,初期に発病するとネットのでかたが不ぞろいで,糖度ののりも悪い。
葉脈のえそはつる割病によってもよく似た症状ができるが,本病の場合は茎の維管束が褐変しない点で区別できる。また,茎のえそはつる枯病とよく似ているが表面に小黒粒点をつくらない点で異なる。
○発生生態
MNSVは土壌,汁液,種子伝染する。土壌伝染がこの病気のまん延に最も関係している。汚染土壌にメロンをまくと2〜3週間で発病する。その土壌伝染はウイルス自体による伝染ではなく,オルピディウム菌という土壌にすむ菌が,ウイルスを保毒したままメロンの健全株の根に侵入し,ウイルスを伝染させるのである。しかし,このウイルスはアブラムシなどの昆虫によっては媒介されない。MNSVはウリ科にのみ寄生する。土壌がアルカリ性になると発病が多く,定植時に地温が低くて,根を冷やした状態にすると発生しやすい。アールス系のメロンはこの病気に弱い。
○外部リンク日本植物病名データベース
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