○概要
メロンの代表的なウイルス病で，わが国のメロン産地ではごく普通に発生している。病原ウイルスは，キュウリモザイクウイルス（ＣＭＶ），カボチャモザイクウイルス（ＷＭＮ）などである。島根県ではＣＭＶが主である。

○病徴と診断
ＣＭＶ，ＷＭＶによって葉や果実の色に濃淡ができモザイク状となる。発病株は節間ののびが悪く，全体に萎縮する。両ウイルスを症状から区別することは困難である。一般に，ＣＭＶの症状は先端の葉に，芯どめ後はわき芽に，ぼんやりとした黄色斑点ができモザイクの症状は軽い。ＷＭＶの症状はＣＭＶよりモザイクの症状が明瞭で葉が奇形となることがあり，黄色斑点はできない。また，ＣＭＶ，ＷＭＶともモザイクができる系統とは別に葉，茎，果実にえそができる系統がある。このえそができる系統に感染すると，中〜下位葉にえそ斑点病の症状によく似た葉脈えそと枯れこみをおこし，茎にえそができ果実は奇形となる。

○発生生態
ＣＭＶ，ＷＭＶは病植物上で増えた有翅のアブラムシ（主にワタアブラムシ）がメロンに飛来し，１〜２分間吸汁することによって伝染する。また，汁液による伝染もするが茎葉が接触した程度では移らない。種子，土壌での伝染はみられない。ＣＭＶはウリ，アブラナ，ナス，アカザ，キク科など多くの植物に寄生する。ＷＭＶは主として，ウリ科，マメ科に寄生する。

○外部リンク日本植物病名データベース

メロンモザイク病（外部サイト）