○作物名:イチゴ,ナス,メロン
○虫害名:ハダニ類
○概要
ハダニ類はイチゴをはじめメロン,ナスなどの多くの野菜類や花き,果樹などに寄生して汁を吸う重要な害虫である。主なハダニ類としてはナミハダニ,ニセナミハダニ,カンザワハダニの3種類が知られている。県内ではどこにでも見られ,とくにハウス栽培では発生が多い。なお,ナミハダニはアオダニまたはシロダニ,ニセナミハダニとカンザワハダニはアカダニと呼ばれている。
○被害と診断
葉裏に寄生し汁を吸うため株の上から見ると葉の表面がかすり状に抜けて白くなる。多発生するとクモが巣を張ったようになり,株全体の葉が白くなり,葉縁部から褐変する。そして,新葉の展開も止まり,株は衰弱して,最後には枯れてしまう。開花期に発生が多いと花数が少なくなるうえに,果実も肥大しないため,被害は大きい。被害は最初,下の葉の縁の部分や葉脈の部分に現れ,しだいに上の葉に広がっていく。普通,露地栽培での発生は少ないが,夏季に高温乾燥が続くと発生が多くなり,翌年の苗用の親株が大きな被害を受けることがある。
3種類とも体長0.5mm以下の小さな虫である。ナミハダニは体色が淡黄緑色で背中の両側に1個ずつ大きな黒斑がある。ニセナミハダニとカンザワハダニはともに赤色であり,肉眼での両種類の区別はむずかしい。また,ハダニ類は脚が8本ある点で昆虫類と区別できる。
○発生生態
ナミハダニとカンザワハダニは冬の一時期活動を停止する性質がある。しかし,ニセナミハダニはこの性質がなく,温度さえあれば冬でも増殖する。ハダニ類は高温と乾燥した条件では10日前後で卵から成虫になる。したがって,年間の発生回数はアブラムシ類と同じように多い。イチゴでの発生はハウスでは3月頃から増え始め,4〜5月頃の収穫期に,野外では9〜10月頃の苗や定植後の株に多い。また,野外での越冬は成虫や卵の形で作物や雑草の葉裏で行う。
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