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○作物名:アブラナ科野菜

○虫害名:ムギダニ

 


ムギダニの被害と成虫の写真○概要
本種は古くからムギの害虫として知られていた。近年西日本を中心に秋冬作野菜のハクサイ、ダイコン、カブ、ホウレンソウなどで発生が多く、島根県では昭和57年頃からその被害が問題となってきている。

○被害と診断
成幼虫が葉から汁液を吸う。加害部は葉緑素がなくなり、銀白色となってしだいにしおれて褐変枯死する。結球野菜では結球部に侵入して加害するため、商品価値がまったくなくなる。作物が小さいうちに加害されると株が萎ちょうして枯死する。ダイコンでは芯葉付近に寄生加害が多く、葉柄基部の葉が褐変枯死するほか、芯葉が萎ちょうして伸長しない。ホウレンソウでは芯葉が加害され、葉が萎ちょうして伸長しない。
昼間は葉裏や日陰で加害しているが、夕方や曇りの日には葉表でも加害する。わずかな振動でも葉陰や株元に隠れ、行動はきわめてすばやい。雌成虫は体長約1mm、体は黒色で脚は赤い。背面に肛門があり、水滴状の排泄物をつけていることが多い。卵は橙赤色、楕円形で植物体上や土壌などいたるところに産みつけられるが、ハクサイでは地際部や外葉の葉柄(葉の白い部分)に多い。

○発生生態
秋から春に1〜2回発生する。夏は休眠卵で土壌中で越す。休眠卵は10月下旬〜11月上旬にふ化し、幼虫がハクサイなどを加害して11月下旬〜12月に第1世代成虫となる。第1世代成虫は12月上旬から春まで産卵する。この卵の一部は2〜3月にふ化し、3〜4月に第2世代成虫となり産卵する。第2世代の発生時期や発生量は年によりかなり変動があり、暖冬年には早くから発生し、発生量も多い。12〜1月に産まれた卵の一部と2月以降に産まれた卵は土壌中で夏を越して秋の発生源となる。本種は他の害虫よりかなり低温でも発育が早く、ふ化から成虫までの期間は5℃で62日、10℃で31日である。なお、雄は見つかっていない。

 

 

 

 


 

 

 


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