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○作物名:ブドウ,カキ,ナシ,クリ,カンキツ

○虫害名:クワゴマダラヒトリ

 


被害と幼虫の写真○概要
秋季クワの葉を数枚つづり合わせて巣を作り,そのなかで多数の幼虫が集団で食害するため,養蚕関係者の間ではスムシと呼ばれている。
クワのほかブドウ,カキ,ナシ,クリ,カンキツなど多種類の植物の芽や葉を食害する。突発的に大発生する害虫で,一度大発生すると数年間は発生が続いた後終息する。クワおよび各種果樹類で被害が発生するのは春季の発芽期である。

○被害と診断
春季,クワ園をはじめ各種果樹園で,越冬場所から移動してきた中齢幼虫が発芽前の芽,新梢の芽や葉を食害する。そのため,クワでは枝条の生育が著しく遅れ,掃立が遅くなる。また,ナシなどで花芽を食害されると着果量が十分確保できなくなることもある。春季芽を食害している幼虫は黒色で,多数の突起と黒色の長毛をもった毛虫で,老熟すると60mmにも達する。

○発生生態
年1回の発生で,中齢幼虫が枯れ葉や雑草の中で越冬する。
成虫は8月下旬〜9月中旬に発生し,クワ,アカメガシワ,カラスノサンショウなどの葉裏に1000〜2000個の卵を平板状に重ねて産み,淡黄褐色の綿状分泌物で被う。卵は約10日でふ化する。
幼虫は9齢を経過して蛹化する。ふかした幼虫は葉上で集団を作り,糸を吐いてテント状の巣網を張る。発育するにつれ巣網は大きくなり,4齢以降は数百棟の集団に分かれる。11月下旬までに6齢となり,数十頭単位で越冬する。翌春3月下旬以降,暖かい日に越冬場所から離れ,単独で各種植物の芽などを食害して5月下旬〜6月上旬に蛹化する。
放任クワ樹,管理の悪いクワ園,高刈り,立通しクワ園では成虫の産卵が多いため,被害も多発する傾向がある。また,春季幼虫の被害はカキなどの発芽が早い作物で多く発生する。

 

 

 

 


 

 

 


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島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
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