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○作物名:クワ

○病害名:アメリカシロヒトリ

 


被害と幼虫、成虫の写真○概要
本種はアメリカ原産で、第2次世界大戦後日本に侵入し、急速に分布を拡大した。本県では昭和50年代初めに発生し県東部に分布していたが、昭和63年には県西部でも発生が確認された。300種以上の植物を加害する。とくに街路樹のプラタナス、サクラや放任されたクワなどを激しく食い荒らす。

○被害と診断
幼虫は雑食性でクワのほか、果樹ではカキ、街路樹ではサクラ、ヤナギ、畑作物ではダイズ、トウモロコシおよび草花、雑草など食べる。しかし、産卵する植物はクワ、ヤナギ、サクラ、プラタナスなど数種に限られる。本種幼虫は密に張られた巣網のなかに群棲し、葉脈や表皮を残して葉を食害する。巣網中の葉がなくなると他に移動して食害する。一見クワゴマタラヒトリの巣網に似ているが、本種幼虫がつくる巣網のほうが密であるし、幼虫の体色も本種のほうが白いのですぐ区別がつく。
放任されたクワ、街路樹のサクラなどで多発生する。また、果樹ではカキの被害が大きい。

○発生生態
年2回発生し、蛹で越冬する。しかし、秋季温暖なときにはー部3回目の成虫が発生することがある。成虫は白色で5〜6月、7月下旬〜8月中旬の2回発生する。成虫の生存期間は5〜10日で、その間に1,000〜2,000個の卵を産下する。卵は淡緑色で葉裏に数百個ずつ卵塊状に産み付けられ、その表面は白色の毛で被われている。卵期間は約10日で、幼虫が現われる。幼虫は7齢を経過して蛹化する。幼虫の体色ははじめ淡黄色であるが、発育するにつれて背面が灰黒色、側面が灰黄色に変わり、やや白く見える。背面に黒いこぶが2列並び、このこぶに長くて細い毛が生えている。幼虫は3齢まで巣網の中で群棲して、食害するが、4齢になると単独行動をとるようになる。この頃から幼虫1頭当りの食害量は著しく増加し、1葉残らず食いつくし、他に移動しながら老熟幼虫が幹の割れ目や株元の枯れ葉、小石のかげなどに隠れて蛹化する。蛹期間は約21日である。

○防除法
1.巣網内の幼虫とともに枝葉を切り取り焼却する。また、竹竿の先の油をしみ込ませた布に火をつけて巣網を焼く。これら巣網を防除する方法は薬剤による防除より効果が高い。
2.やむなく薬剤で防除をする場合は、巣網を破って散布するか、高圧散布機で下記の薬剤を幼虫発生初期に1〜2回散布する。


資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑

 



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