○作物名:クワ
○病害名:カミキリムシ類
○概要
クワを加害するカミキリムシはクワカミキリ、キボシカミキリ、トラフカミキリの3種類である。これらのうち、クワカミキリ、キホシカミキリはイチジクの枝や株に食入し枯死させるため、果樹害虫としてもよく知られている。
○被害と診断
幼虫が枝の樹皮下および木質部に食入するため、枝が急に萎れて枯れる。また幹部が食害されると徐々に樹勢が衰えて株全体が枯死する。さらに、成虫が葉や枝を食害するいわゆる後食による被害も無視できない。キボシカミキリ成虫は若葉を後食する。また、クワカミキリ成虫は1年枝を後食し、木質部に達する深い傷を付けて産卵するため、強風によって枝が折れたりする被害がみられる。
クワカミキリの成虫は体長約40mm、黒褐色で、淡褐色の細毛が全体にある。触角は体長の1.5倍である。幼虫の前胸背面には後部から前部に向かって放射状に赤褐色の斑点がならんでいる。また、食害孔から虫糞が出ている場合は本種が食入している。キボシカミキリの成虫は体長20〜25mm、灰黒色で翅鞘に大小の黄色の斑点がある。触角は体長の2〜3倍である。幼虫の前胸背面には1個の大きな長方形の褐色斑がある。枝の樹皮が裂けて虫糞が出ている場合は本種である。トラフカミキリの成虫は体長約25mm、翅鞘には黒色と黄色の斜めのすじがあり、一見スズメバチに似ている。幼虫の前胸背面には4個の長方形の淡褐色斑紋がならんでいる。1年枝が急に萎れる場合は本種かキボシカミキリが食入している。
○発生生態
クワカミキリは2年で1回の発生で、幼虫で越冬する。成虫は夏期に発生する。幼虫は木質部をトンネル状に食い進む。キボシカミキリは年1〜2回の発生で、幼虫で越冬する。成虫は6〜7月と9〜10月に発生し、300個前後の卵を樹皮下に産み付ける。幼虫ははじめ樹皮下を食害しているが、発育すると木質部へと食入する。トラフカミキリは年1回の発生で、幼虫で越冬する。成虫は7月頃から発生し、秋までに約150個の卵を枝の割れ目などに産み付ける。幼虫はキボシカミキリと同様発育すると木質部に食入する。
○防除法
1.被害回避のため、高い仕立て法を避け低い仕立て法にする。また、成虫は見つけしだい必ず捕殺する。
2.薬剤による防除は春および夏切り後の発芽前と晩秋蚕終了後に各1回薬剤を散布する。
資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑
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