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○作物名:クリ

○虫害名:クスサン



幼虫と被害○概要
古くからクリの害虫として知られている。時折大発生して葉を食いつくし、樹を丸坊主にすることがある。クリの他リンゴ、ナシ、ウメ、クルミ、カキなども加害する。

○被害と診断
幼虫が葉を食害する。5月頃、黒い毛虫が新葉の裏側に群がって食害する。成長するにつれて分散して食害する。被害葉は葉の縁から食害され、太い葉脈だけが残る。弱中齢期の食害量は比較的少ないが、老齢になると暴食し、わずかな間に全葉を食いつくし、他の樹へ移動するので多発生した場合には数本の樹が丸坊主になることもしばしばある。幼虫は齢期によって体色が変わり1〜3齢幼虫は黒色で白い毛がまばらに映えている。4齢幼虫は淡緑褐色になり、灰黄色の長い毛が生えている。体の側面に黄色い線がある。5〜7齢(終齢)では体の側面が黄緑色で背面は青白色である。全体にしろ〜青白色の長い毛がたくさん生えており、“シラガタロウ”の異名をもつ。老熟幼虫は体長8〜10cmである。繭は“スカシダワラ”と呼ばれ、褐色楕円形で、その中の蛹は茶褐色である。成虫は翅を開いた大きさ約13cmの大型のガである。前翅は黄褐色、赤褐色、灰褐色など色の変化がある。翅には波形の線と、中程に紫白色の眼状の紋がある。卵は灰白色俵状で、地上2mまでの幹や太枝に数十個ずつかためて産みつけられる。

○発生生態
年1回発生し、卵で越冬する。越冬卵は4月中旬〜5月上旬にふ化し、ふ化直後の幼虫は群がって葉を食べるが、成長するにしたがって分散する。幼虫期間は約2か月である。幼虫は6〜7齢を経て、7月中旬頃に荒い繭をつくってそのなかで蛹化する。成虫は9月下旬〜10月中旬に発生し、枝や幹に産卵する。成虫は夜行性で灯火によく集まる。
クリでは恒常的に発生する害虫であり、時折大発生して葉を暴食する。多発生しても2〜3年で通常の発生に戻るが、この様な時には卵や幼虫に天敵が寄生していることが多い。




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