○作物名:クリ
○虫害名:カツラマルカイガラムシ
○概要
クリに寄生が認められたのは昭和40年で、その後西日本各地のクリ園に急速に広がった。島根県では昭和45年に広瀬町で初めて発生し、県下全域に分布が拡大した。多発生のため樹が枯死して廃園になることも多く、クリの重要害虫となった。
○被害と診断
成幼虫がクリの枝や幹に寄生して樹液を吸収するため、樹勢は衰弱する多発生すると寄生した枝を枯らすばかりでなく1〜2年で樹が枯れることも多い。はじめ1〜3年生の若い枝に寄生することが多い。枝に暗灰褐色の介殻が寄生し、多発生すると落葉が早くなり、翌年の芽立ちが悪くなったり、枯死する。多発生樹では、夏に樹のあちこちに枯葉が目だつようになる。
雌の介殻は円形で直径約2mm、暗灰褐色〜灰黒色で介殻の中央に灰白色の点がある。寄生が多い枝では介殻が重なり合うようになる。介殻の中の虫は淡黄色で偏平である。雄の介殻は長惰円形で、雌よりも小さい。ふ化幼虫は橙黄色で枝上を歩行する。発生の多い枝では一面に黄色い粉をふりかけたように見える。適当な場所に定着した幼虫は、背中に白いろう物質をだし介殻をつくる。
○発生生態
幼虫は6月中下旬と8月下旬〜9月上旬の2回発生する。越冬は第2世代の2令幼虫で行われる。幼虫のふ化時期は地域により異なり、山間部では平坦部より遅い。それぞれの地域で幼虫のふ化時期を把握することが防除を適期に行う上で大切である。成虫は介殻の下に産卵し、ふ化した幼虫が介殻からはいだしてくる。ふ化幼虫は2〜3日後には定着して介殻をつくる。幼虫は2令まで有り、発育期間はそれぞれ約15日である。
このカイガラムシはクリ以外にクヌギ、コナラなどのブナ科植物をはじめ多くの植物に寄生する
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