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○作物名:クリ

○虫害名:モモノゴマダラノメイガ

 


被害と幼虫、成虫の写真○概要
クリの果実害虫のなかでも最も普通に発生し、被害が大きい害虫である。クリのほかモモ、スモモ、ウメ、カキ、ブドウ、カンキツなどの果実も加害する。また、マツやスギなどに寄生する針葉樹型があるが、果樹には寄生しない。

○被害と診断
被害はきゅう果のみに発生する。収穫1か月前頃からきゅう果のイガが部分的に褐色となり、帯状に広がっていく。褐変したイガの基部にはトンネル状の通路があり、きゅう果内の果実に続いている。果実の側面や座の部分に3〜5mmの穴をあけ果肉を食害し、白い大粒の虫糞をさかんにだす。被害きゅうは幼虫が吐いた糸で枝や葉に綴られているため落下する事は少ない。被害は伊吹、豊多摩早生、森早生、丹沢などに多く、有磨、筑波では比較的少ない。
成虫は全体鮮やかな黄色で、前翅、後翅、胸部、腹部に黒い斑点がある。卵はやや楕円形で0.6mm、はじめは乳白色であるが数日後には鮮やかな赤色となる。幼虫は頭部が黒褐色、胸部、腹部は暗紅色で背面に光沢のある暗褐色の斑紋がある。

○発生生態
成虫は5月下旬〜6月下旬、7月中旬〜8月中旬、9月上旬〜中旬の3回発生する。老熟幼虫がクリなどの粗皮間隙や落葉中につくった繭のなかで越冬する。越冬世代成虫はモモ、ウメなどに産卵して加害するが、クリきゅう果への産卵はほとんどない。クリへは7月以降に発生する第1世代、第2世代成虫が、直径3cmになったきゅう果の果梗に近い面の刺に産卵する。産卵は極早生種からはじまり、早生、中晩生種へと次々に時期を追って行われる。被害はイガの刺が短く、密にあるものに多い。若令幼虫期はイガを食害しているが、成長すると果実に食入する。このイガを食害している時期が防除時期である。

 

 

 


 

 


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