○作物名:キク
○病害虫名:アワダチソウグンバイ
○概要
平成19年、島根県内において発生が初めて確認されたアワダチソウグンバイは北米からの侵入害虫で、国内では平成12年に兵庫県西宮市のセイタカアワダチソウで初確認されている。近畿・中国・四国地区では本県の他に10府県(平成19年7月25日現在)で農作物における発生が確認されている。
○形態と生態
成虫は体長が約3mmで相撲の行司が使う軍配に似た形状をしている(図)。前翅に多数の褐色斑紋があり、周縁には小棘が列生することから他のグンバイムシ類と区別できる。卵は葉裏の葉脈沿いに産卵される。黒色で楕円形の靴のような形をしており、灰色円形の蓋がついている。卵の下部は植物の組織内に埋め込まれる。幼虫は小豆色から黒褐色の紡錘形をしており、葉裏で集合している。
奈良県や大阪府での観察では6月から10月にセイタカアワダチソウで多発し、成虫がロゼット状のセイタカアワダチソウで越冬していることから、主にセイタカアワダチソウで生活していると考えられている。セイタカアワダチソウを除草すると周囲のヨモギやオオアレチノギクなどにも寄生する。4月中旬からセイタカアワダチソウで第1世代幼虫が発生し、5月下旬以降の第1世代成虫が農作物に飛来して加害する。露地キク圃場では10月以降の気温の低下による死亡個体を多く観察しており、その後の発生は終息するが、山際や林縁など日陰に自生するセイタカアワダチソウでは冬期に越冬成虫が多数見られる。
○寄主植物
農作物では、キク、ヒマワリなどのキク科作物やヒルガオ科のサツマイモ、アメリカンブルーへの寄生、繁殖が確認されている。また、5月に露地ナスでも成虫の加害が発生するが、被害は一時的で、繁殖はほとんどしない。加害するのは成虫と幼虫で、吸汁による葉の白斑症状(図)と、葉裏のスス症状(図)によって美観を損ねる。
定期的に殺虫剤散布を行っている圃場ではほとんど被害は発生しないが、長期間防除を行っていない圃場や、家庭菜園では多発する。
○防除方法
1)圃場周辺のセイタカアワダチソウやブタクサなどのキク科雑草は重要な発生源となるので早期に除草する
2)薬剤防除する。
図アワダチソウグンバイ成虫(左)キクの被害状況(中:葉表、右:葉裏)
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