○作物名:キク
○病害名:白さび病、黒さび病
○概要
両病ともどこにでも発生が見られる。商品性の高い花きであるので、葉に少し発生しても商品価値が著しく低下することや、一度発生すると防除が難しいためキク栽培上もっとも恐れられている。
○病徴と診断
白さび病;葉のほか、茎、がく、花弁などに発生する。はじめ葉の裏に中央のやや盛り上がった白色〜淡褐色の小さな斑点(冬胞子推)ができる。これはしだいに大きくなって直径が3〜5mmの円いいぼ上の病斑になる。この葉の表は黄褐色でややへこんでいる。発生が多いと葉は巻き上がって枯れることが多い。
黒さび病;葉や茎に発生する。葉の裏に褐色の小さな斑点ができる。これはしだいに大きくなって表面が破れ、黒褐色の粉ができる。これは本病の伝染の役割を果たす夏胞子である。発生が多いと葉がねじれて下葉から枯れ上がることが多い。秋になると黒褐色の冬胞子のかたまりをつくる。
○発生生態
白さび病;本病は新芽などに潜伏して越冬し、翌春、苗が発病する。病斑部は白いいぼ状(冬胞子の塊)となり、これが成熟し、適度の湿度を得ると発芽してこの上に伝染の役割をする小生子という胞子ができる。これが飛散して葉に付着して侵入する。そして約10日の潜伏期間を経て再び発病する。本病の発病には18〜22℃が適している。露地では4〜7月と9〜11月に発生が多く、ハウスでは冬期間も発生する。
黒さび病;秋につくられた冬胞子推で越冬する。そしてここにできた小生子が4、5月頃にキクに伝染し、発病する。その後は病斑状に形成された夏胞子によって伝染を繰り返す。降雨が多いと発生が多く、晴天が続くと発生は少ない。
○外部リンク日本植物病名データベース
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