○作物名:カキ
○病害名:灰色かび病、葉枯病
○概要
灰色かび病は、以前には褐紋病とか、ねずみかび病とか呼ばれていたこともあり、九州地方では古くから注目されていた病害である。本県でも以前から、年により散発的に多発生していたようであるが、最近、昭和57年に県下の西条や伊豆などで突発的に大発生をみた。近年、栽培様式の変化などにともない、全国的にも増加傾向にあるといわれ、カキを栽培する上で今後注意を要する病害であるといえよう。これに対して葉枯病は、各地でよく見かける病害ではあるが、発生のしかたが緩やかなため大きな被害を及ぼす心配は少ない。
○病徴と診断
灰色かび病;若葉と幼果に発生する。若葉では、はじめ葉先または葉縁の一部が水気を失って灰緑色となり、のちに淡褐色に変色する。病斑は波を打ったように広がり、きわめて落葉しやすくなる。また、幼果では、はじめ花弁が侵され花落ちが悪くなり、花弁が落ちたあとの果実の表面に黒色の小粒点ができる。
降雨のあとなどには、葉の病斑や幼果にくっついている花弁に灰色のかびが多量にはえる。
葉枯病;主として葉に発生するが、枝や果実を侵すこともある。葉では、はじめ直径1cm前後の褐色の斑点が現れ、しだいに拡大して周辺がはっきりした赤褐色の病斑となる。その表面には、黒色小粒点(胞子層)を多数つくる。枝や果実では一定の病斑をつくらず、表面に黒色小粒点のみができる。
○発生生態
灰色かび病;本病菌は果実や野菜などにきわめて多くの作物を侵す。落葉上で菌糸(菌核)および胞子の状態で冬を越し、翌春になってこれより新葉に一次伝染する。また、他の作物や枯草などの上で形成された胞子も各方面から飛んできて伝染する。カキの若い葉ほど発病しやすく、新しい病斑上に胞子をつくって二次伝染する。
5〜6月の天候が不順な年や、強風などで葉が傷められたあとで大発生をみることがある。
○外部リンク日本植物病名データベース
葉枯病の病斑
灰色かび病の発生状況(落葉)
灰色かび病(果面の病斑)
灰色かび病(へた、新葉の病斑)
お問い合わせ先
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