○作物名:カキ
○病害名:うどんこ病、すす病
○概要
うどんこ病は、わが国のカキ産地に広く発生し、ごく普通の病害である。島根県では、昭和55年の冷夏の年に全国的に多発生して大きな被害を被ったが、最近では西条を中心に発生が多い。すす病は散在樹、放任樹など管理の行き届かない園とか樹に発生が多い。
○病徴と診断
うどんこ病;葉に発生する。5〜6月ころの若葉では、表面に黒色、円形の斑点ができ、これが多数集まると、墨をうすく塗ったようになる。裏側は葉脈部が黒くなるだけで、葉肉部は淡褐色ないし紫灰色となる。8月下旬ころになると、普通のうどんこ病症状となり、裏側に白色紛状(菌糸および分生胞子)ができ、しだいに広がって、葉全面に及ぶようになる。秋季、この菌叢の中にはじめ黄色、のち黒褐色の細粒点(子のう殻)ができる。
すす病;葉、枝、果実に発生する。カイガラムシ類などの排泄物を栄養源として繁殖したかびが表面を覆う。葉では表面に黒色すす様のかびが生え、やがて、菌叢は密になり、厚さを増して葉の大部分を覆うようになる。果実ではへたの部分から始まり、暗褐色となる。
○発生生態
うどんこ病;秋季、罹病葉の裏側に形成された子のう殻の一部が落葉前に葉からはなれて枝の幹に付着して主な伝染源となる。春季、子のう殻から飛び出た胞子が風によって伝播され、若い葉の気孔から侵入して感染し、発病する。やがて病斑の裏側に胞子が形成され、胞子は風によって伝播され伝染が繰り返される。
病原菌は15〜25℃でよく生育する。そのため、6〜7月、8月下旬ころから病勢が活発となる。8月が気温が低い年、山間部の谷間など風通しの悪い園とか窒素過多で徒長ぎみの樹などで発生しやすい。
すす病;本病はカイガラムシ類などの排泄物に寄生するので、これらの害虫の多発園では発生が多い。菌叢上にできた胞子は雨で流されたり、あるいは風で飛び散ったり、ときには昆虫や鳥によっても伝播される。
○外部リンク日本植物病名データベース
うどんこ病(葉の病斑:初期)
お問い合わせ先
農業技術センター
島根県農業技術センター 〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380 nougi@pref.shimane.lg.jp <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方> 迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。 以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。 @pref.shimane.lg.jp