○作物名:カキ
○病害名:炭疽病
○概要
本病はわが国のカキ産地でごく普通にみられ、富有などの品種では被害の大きい病害である。島根県では太平洋戦争後に多発生したという記録があるが余り明らかでない。最近では、平田市の富有などでときどき多発生して問題になっている。
○病徴と診断
本病は、柔らかい新梢、幼果から熟果までの果実、葉柄に発病する。新梢では、緑枝に5月から発病し、梅雨期に多くなる。最初、黒色の円形病斑ができ、しだいに広がって暗褐色、楕円形となってくぼみ、縦に亀裂ができる。果実では、幼果に梅雨期ころから黒色、円形の病斑が現れ、やがて落下する。着色期になると、病勢は再び活発となり、最初、黒色小斑点ができ、やがて円形ないし楕円形の少しくぼんだ病斑となる。病果は早く着色し、熟果となって落ちやすくなる。新梢、果実の病斑上には降雨の後などに鮭肉食の粘質物(胞子の塊)ができる。また葉柄が発病するとその上部が黒褐色になってわずかに折れ曲がり、横に亀裂が入る。
○発生生態
病原菌は旧梢の病斑、芽、落葉あとなどで冬を越す。4月下旬頃から、これらの上に胞子を形成する。胞子は雨水の飛沫とともに飛び散って、柔らかい新梢、幼果に達し、表皮から侵入発病する。新しくできた病斑の上に胞子が形成され、次から次ぎへと二次伝染する。
気温が20〜27℃で、多湿条件であれば多量の胞子を形成し、新梢、果実へと発病を繰り返す。とくに、降雨が5〜6月に多いと若い枝梢や幼果の発病が多く、9〜10月に多いと果実の被害が激しい。品種によって発病に違いがあり、富有、平種無は弱く、西条、次郎は中程度、甲州百目、四溝は強い。また、排水の悪い園や密植園で風通しの悪いところで発生しやすい。
○外部リンク日本植物病名データベース
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