○作物名:カキ
○病害名:円星落葉病、角斑落葉病
○概要
両病害ともわが国のカキ産地にごく普通に発生している。そのうち、円星落葉病は近年まで発生が少なかったが、昭和48年ころから全国的に多発生傾向となり、島根県でも49年に大発生して多大の被害をもたらした。その後も防除不徹底な園などでは被害が大きい。角斑落葉病は県下の散在樹などでごく普通にみられる。
○病徴と診断
円星落葉病;主として葉に、まれにへたの部分にも発病する。9月になると、円形の黒点ができ、しだいに広がって直径3〜5mmになり、中央は赤褐色、周囲が黒褐色の病斑になる。病勢が急な場合は不規則な淡褐色の病斑をつくり、そのまま落葉する。
角斑落葉病;葉に発生する。最初は不正形の淡褐色〜暗褐色の斑点ができ、しだいに広がって葉脈に境された多角形、褐色の病斑をつくる。病斑の周囲は黒色となり、内部に黒色小粒点(分生胞子層)が形成される。とくに降雨後などには肉眼でもわかる程度の淡褐色〜淡オリーブ色の胞子叢をつくり容易に区別できる。
○発生生態
円星落葉病;病原菌は落葉の中で菌糸や菌糸の塊で越冬する翌春、気温の上昇とともに子のう殻に発達し、5月ころになるとそのなかから胞子が飛び出して葉に達し、葉裏の気孔から侵入感染する。感染は5月上・中旬〜6月にとくに多く、60〜120日以上と非常に長い潜伏期間を経たのち発病する。病斑上に胞子形成しないので二次感染はしない。
角斑落葉病;病原菌は主として落葉の中で菌糸の形で冬を越している。翌春、その上に胞子をつくり、雨水の飛沫とともに飛散して新葉に達し、気孔から侵入して発病する。病斑上に再び胞子を形成し、これが飛散して伝染を繰り返す。
○外部リンク日本植物病名データベース
円星落葉病の被害状況
円星落葉病の病斑
角斑落葉病の病斑
お問い合わせ先
農業技術センター
島根県農業技術センター 〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380 nougi@pref.shimane.lg.jp <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方> 迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。 以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。 @pref.shimane.lg.jp