○作物名:キュウリ、カボチャ
○病害名:モザイク病
○概要
本病はわが国のウリ類で発生している代表的なウィルス病である。病原ウィルスにはキュウリモザイクウィルス(CMV)とカボチャモザイクウィルス(WMV)の2種類がありいずれもアブラムシによって伝染する。
○病徴と診断
キュウリ;CMVは葉に小さな黄色の斑点が多数集まり斑紋をつくって健全部の緑色とのモザイク症状を示すのが普通である。この他、主として中位葉に淡黄褐色の不生形の小斑点をつくり、この小点が葉脈に沿って並んでえそ症状になることがある。果実では、わが国で栽培されている品種では軽く、わずかにかすり状の斑紋が認められる程度である。
WMVは葉脈間にやや大きな黄緑色の斑紋ができてモザイク状となる。また、葉脈が透化したり、その外側が濃緑色となる。症状の激しい場合には脈間の部分が破れたり、葉縁がのこぎり状になり、葉は小さくなる。果実では表面にこぶをつくり奇形となる。
カボチャ;CMVははじめ黄色の斑点ができてしだいにモザイク症状となる。WMVは葉脈が透化したり、モザイク症状を呈し、葉は奇形となる。果実は果形がくずれ、果肉が腐敗する。セイヨウカボチャはWMV、CMVのどちらのウィルスにも侵されるが、ニホンカボチャはCMVに侵されることはきわめて少ない。
○発生生態
両ウィルスとも保毒したワタアブラムシ、モモアカアブラムシなど各種のアブラムシが吸汁する際に伝搬され、感染する。
CMVはきわめて多くの植物に寄生している。そのため、ウリ類への伝染は付近に生息している雑草や付近で栽培されている作物から媒介虫のアブラムシによって伝搬されることが多い。また、本ウィルスは、種子伝染、土壌伝染はしない。WMVはCMVにくらべて寄主範囲はせまく、ウリ類のほかはエンドウ、ソラマメ、インゲンなどのマメ科植物に限られている。アブラムシの媒介によって伝染し、土壌伝染はしない。
本病の発生は、媒介虫のアブラムシの発生に左右されるため、乾燥気味のときに多くなる。
○外部リンク日本植物病名データベース
果実のモザイク症状
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