○作物名:カボチャ
○虫害名:カボチャミバエ
○概要
幼虫がカボチャやユウガオなどのウリ科作物の果実内部を食害する害虫で、成虫は比較的大型のきれいなハエである。
○被害と診断
幼虫が果実の果肉を食害する。未熟な果実に多数の幼虫が寄生すると、果実は成熟期に落下、腐敗する。しかし、成熟した果実では小数の幼虫が内部を食害しても腐敗せず、外観が健全果とほとんど変わらないため、割ってみてはじめて被害に気付くことが多い。また、産卵孔からしみ出る汁によりカボチャやキュウリでは透明なあめ色、ユウガオでは不透明なしょうゆ色の汚れができる。老熟幼虫は果実の内部で独特な跳躍行動をするので、果実に耳を当てて跳躍音が聞こえるかどうかから被害果を判断することもできる。
成虫は雌が体長約13mmで、雄が約10mmである。全体が淡黄褐色であり、翅は透明である。胸部の背側は黄褐色で中央から後方に3本の黄色縦線がある。腹部は淡い黄褐色で、各節には黒褐色の横線がある。卵は灰白色、長惰円形で一端は尖り、1.1mmほどである。若齢幼虫は白色であるが老熟すると黄白色になる。老齢幼虫は長さ15mmほどである。蛹は赤褐色で俵状であり、長さ7mmほどである。
○発生生態
長野県以北では年に1回発生し、蛹で越冬するといわれている。成虫は7月下旬から出現し、畑周辺の雑草の葉裏に潜み、産卵時期になると雌だけがウリ類に飛来する。雌は果実の表面を動き回り産卵場所を探すような行動を示してから、産卵管を果実に挿入し、1回当たり10〜40個の卵を産みつける。産卵行動は午後2〜3時頃に最も活発になる。卵期間は真夏では5〜6日、初秋では10〜12日である。ふ化幼虫は果肉の内部深くへと食入して中心部に達し、種子とその周辺を食害する。幼虫は発育するにつれて中心部から外側へと食害を続ける。幼虫は果実が腐敗した後に果実から脱出し、土に潜り蛹化する。本種は平坦部より中山間、山間部までの発生が多い。なお、ウリ科作物以外ではカラスウリなどのウリ科雑草やトマトにも寄生する。
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