○作物名:イチジク
○病害名:灰色かび病・疫病・モザイク病・さび病
○1.灰色かび病:病徴
葉、果実、新梢に発生する。葉では輪紋状の茶褐色病斑を形成する。後に病斑部は破れて穴が開くことがある。果実では開口部付近から発病し、かびが密生し軟化腐敗する。最近は春先に越冬枝に発病し、病斑上に大量に胞子を形成する場合がみられる。
2.疫病
梅雨期、収穫期に発生が多い。果実は暗緑色水浸状となり白色粉状のかびにおおわれる。桝井ドーフィンは発生しやすい。本病菌は前年の病果、病葉などで土中にのこり、越冬する。5月頃から雨滴とともにはねあげられ葉、果実、新梢に侵入する。
防除法:1伝染源の処分。2樹冠下に敷わら等を敷き土壌からの伝染を防ぐ。
果実、葉の病斑
疫病菌
3.モザイク病
輪郭は明瞭で葉脈に沿って著しく退緑し、一部に奇形を伴う。激しく発生している結果枝では未着果節を持つ枝が多く、節間長も短い。苗木伝染する。イチジクモンサビダニによって類似症状が発生するが、その症状は、退色程度は軽く、淡緑色で輪郭の不明瞭な斑紋である。
イチジクモザイク病(葉)イチジクモザイク病(果実)
イチジクモンサビダニの加害による症状(葉)
4.さび病
平成15年、松江市で多発生した。葉の裏に黄褐色の斑点が生じ、この部分が淡黄色粉状(夏胞子層)となる。発病した葉は黄化し、発病が激しいと落葉を伴う。病斑上に形成された夏胞子は風で分散し二次感染する。
発生状況
栽培園(左)、放任園(右)
葉の病斑
○外部リンク日本植物病名データベース
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