• 背景色 
  • 文字サイズ 

○作物名:イネ

○虫害名:サクラミミズ


サクラミミズの写真○概要
このミミズはイネの根のまわりにいて,土を柔らかくするためイネが倒れやすくなる。また,モグラがミミズを求め畦に穴をあけて水田にはいるので,漏水の原因となり,以前から問題となっていた。また,バインダー,コンバインの普及とともに,このミミズがイネの株元につくるふん堆(土のかたまり)で稲刈機の刃が傷み,作業の障害になっている。

○被害と診断
モグラがミミズを求めて水田に侵入し,畦にあけた穴から漏水しており,畦はところどころこわれている。また,イネの株元にはふん堆がある。ふん堆の大きさは同じ水田内でも場所によって異なり,8月末頃には高さが10cmぐらいになっているところもある。
ふん堆がある株を根の周りの土とともに掘取り,これを洗ってみるとシマミミズよりやや太くて長いサクラミミズがいる。このミミズの成体は体長が4〜11cm,体色は淡赤色〜赤褐色で尾部は黒褐色である。なお,産卵時期には頭部の後方に膨らんだ部分である環帯ができ,この部分は黄褐色である。卵包(卵の入った袋)は短紡錘形で,長さが4mmである。ふ化直後の幼体は体長が1.0〜1.5cmで,体色は一部が赤みのある白色であるが,その後成体と同様な色になる。

○発生生態
成体と幼体が水田の地下15〜30cmの比較的深いところで越冬する。春季の気温の上昇とともにやや浅い部分に移動し,田植えが済むとイネの根のまわりに集まりふん堆をつくる。
ミミズは雄雌同体で,成体は7月〜9月はじめに1頭が約10個の卵包をふん堆のなかやイネの根のまわりに産む。卵は主に9〜11月にふ化し,1個の卵包から普通2頭の幼体が出てくる。この幼体は翌年あるいは翌々年の6〜8月頃に成体になるので,卵から成体になるまでに1〜2年かかる。成体になってからでも1〜2年生きる。
主に山間地の棚田で発生しているが,平坦地でも発生している水田がある。発生はいずれも砂質がかった土で水持が悪い水田である。更に毎年堆肥などを多く施用したり,用水に下水が混ざっている水田では多発生する傾向がある。

 

 


 

 


お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
 nougi@pref.shimane.lg.jp
  <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方>
  迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。
   以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。
  @pref.shimane.lg.jp