○作物名:イネ
○虫害名:イネシンガレセンチュウ
○概要
このセンチュウ(線虫)がイネに寄生すると葉先が枯れてこより状になり,この症状は俗にホタルイモチと呼ばれている。このセンチュウはイネの生育を害するとともに黒点米を発生させて米の品質低下をもたらすことから,島根県では各種の防除がよく行われ,近年はセンチュウの発生はきわめて少なくなっている。
○被害と診断
イネシンガレセンチュウが寄生,加害したイネは茎数は多いものの草丈が低くなり,葉色がやや濃くなったりする。又,上位第1〜3葉の先端3〜6cmぐらいが淡褐色に枯れてこより状になる葉先枯れとなる。枯れた部分は油脂状の光沢があり,その様子が蛍に似ているのでホタルイモチの俗称がある。イネシンガレセンチュウは体長が0.5〜0.7mmときわめて小さく,半透明で肉眼では見えない。被害の程度は品種やセンチュウの寄生量によってかなり異なる。
また,このセンチュウが寄生しているイネを脱穀してみると玄米の張りが悪く,くず米が多い。更に,玄米の一部は腹側に横あるいは縦に割れ目が入り,この部分と周辺が黒変した黒点米が混入している場合が多い。黒点米は米の品質を低下させるので,米の検査規格では着色粒として取扱われ,この混入率が0.2%以上であれば等級格下げとなる。
○発生生態
このセンチュウは種もみ内,もみ殻やワラなどについて越冬する。播種後,水中に泳ぎだして健全なもみのなかにも入る。その後,稲の茎内の生長点や幼穂付近に寄生して柔らかい芽や幼穂を吸汁しながら増殖する。出穂後はもみのなかに入り,肥大する玄米を吸汁加害する。
出穂してから気温が高いと黒点米は発生しやすい。
○外部リンク日本植物病名データベース
お問い合わせ先
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