○作物名:イネ
○虫害名:イネミズゾウムシ
○概要
アメリカ合衆国から侵入した害虫で,昭和51年に愛知県で初めて発見された。島根県では,58年に松江市,東出雲町,益田市など18市町村で初めて発生が確認された。その後分布は急速に拡大し,61年には県下の全市町村に及んでいる。
○被害と診断
成虫は田植え直後からイネの葉を幅約1mm,長さ1〜6cmに白くかすり状に食害する。この被害は初期には畦畔沿いに多いが,しだいに中央部へと広がる。幼虫は根を食害するため,草丈がのびず,分げつが抑えられ,出穂も不ぞろいとなるので,そのため被害が著しい場合はかなり減収する。被害は畦畔沿いに多く,とくに湿田などで発生しやすい。6月下旬〜7月上旬頃に被害株を引き抜き根を良く洗うと水面に幼虫が浮いてくる。また,根には土色をした土まゆが付着している。7月上旬〜8月上旬頃に発生する新成虫は葉を殆ど食害しないため,被害は問題にならない。成虫は体長が約3mmで灰褐色をおび,背面の中央部に黒褐色の斑紋がある。幼虫は乳白色で背中に6個のかぎ状の突起があり,成長すると長さが約8ミリメートルとなる。蛹は乳白色で長さが約4mm,土色をした長さが約5mmのけいらんけいの土まゆの中に入っている。
○発生生態
年に1回発生し,成虫が畦畔や水田付近の林の落葉下で越冬する。成虫は4月中旬頃から活動をはじめ,ササやイネ科雑草などの新葉を食べているが,田植え直後から水田に侵入して葉を食害する。本県では5月上〜中旬に主に田植されるが,この作型では成虫は5月下旬頃に密度が最も高くなり,その後6月中旬頃までみられる。成虫は1日に1から2個ずつ,水際の茎内に卵を産みつける。成虫1頭当りの産卵数は50個である。卵は4〜5日でふ化する。ふ化幼虫はただちに土中にもぐり,根を食害する。幼虫期間は約1か月で,その後イネの根に土まゆをつくり,その中で蛹化する。新成虫は7月上旬〜8月上旬頃に現われ,そのまま越冬場所へ移動する。
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