○作物名:イネ
○虫害名:ツマグロヨコバイ
○概要
生育初期に萎縮病,黄萎病などを媒介する。また,その後はイネを吸汁して生育に悪影響を与える中型のヨコバイである。島根県では,昭和40年代後半までは全般に発生が多かったが,その後は減少している。しかし,現在でも毎年のようにかなり多く発生している地域もみられる。
○被害と診断
イネの生育初期に萎縮病、黄萎病などを媒介する。また,まれではあるが遅く田植した小さなイネでは吸汁害により黄色くなり,生育が著しく不良となることがある。
8月中旬以降,出穂したイネの葉先が黄色くなって,虫の排せつ物に発生したすす病で葉や穂が黒く汚れる被害が見られる。また,穂首やもみに多数の褐色の点がつき,褐色になったもみもある。株にふれると多数の成虫が飛び上がる。このような状態になれば玄米の張が悪くなり,減収する。また,近くの水田で刈取りが行われると,そこから多くの虫が一度に侵入し,畦側が枯れることもある。
成虫は体長が4.5〜6.0mm,退色が淡緑色で,翅の先端は雌が淡褐色,雄が黒色である。幼虫は翅がないほかは成虫と同様な形で小さく,体色は黄褐色〜淡褐色である。卵はバナナ型で長さが約1mmである。
○発生生態
本県では年に4回ぐらい発生する。幼虫が水田周辺のスズメノテッポウなどのイネ科雑草の中で越冬する。4月中旬頃から第1回目の成虫になり,田植直後から水田へ飛来する。成虫は葉の主脈や葉鞘の組織内に数粒ずつ産卵する。その後,幼虫は5零を経て6月始め頃から第2回目の成虫となる。つづいて7月下旬頃から第3回目,8月下旬頃から第4回目の成虫が発生する。なお,後の世代ほど発生量は多くなる場合が多い。雌1頭あたりの産卵数は約200個で,25℃での卵期間は約7日,幼虫期間は約20日である。
成虫は光に集まる性質があり,夏によく電灯に飛んでくる。また,多くの薬剤に対し抵抗性を獲得したため,1成分の薬剤では防除効果が不十分な場合が多い。
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