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○作物名:イネ

○虫害名:トビイロウンカ


トビイロウンカ○概要
イネの最も重要な害虫で,古くはこの虫の大発生によって飢饉がもたらされたと言われている。その名が示すように鳶色,すなわち茶褐色をした小さな虫である。又,秋ウンカとも呼ばれ,夏の終わりから秋に被害をもたらす。グラッシースタント病などのウイルス病も媒介するが,わが国では本病は問題にならない。

○被害と診断
この虫はイネの汁液を吸って生活している。多く発生すると,夏の終わりから秋になって水田の中に穴があいたように突然イネが枯れ込む。これは一般に坪枯れと呼ばれている。虫が集まったために枯れたわけではなく,もともとその部分に虫が多くいて,2〜3か月の間に増えたためイネの汁液が激しく吸われ,枯れてしまったものである。坪枯れは同一水田内にいくつもできて,数日の内に枯れた部分が周辺に広がることが多い。そのために水田のかなりの部分や全面が枯れることもあり大きな減収をもたらす。この虫はイネの株元で生活しており,坪枯れがおこるまで発生に気がつかないことが多い。虫が寄生している株元には白いかびや排せつ物に発生するすす病がでている。発生に多い年は8月下旬頃から坪枯れがおこり始める。
成虫は体長が約5mm,茶褐色である。幼虫は成虫と同様な体色である。

○発生生態
毎年東シナ海を渡って海外からやってくる。梅雨期に低気圧とともに飛来するので,この時期の気象条件などにより多発生する年と少発生の年とがある。この虫はイネのみに寄生し,飛来した成虫は直ちに産卵する。幼虫のときの条件によって,翅が長い長翅型の成虫になったり,短い短翅型になったりする。飛来次世代の成虫はイネの栄養条件が良いので短翅型が多くなり,飛びさることなしに増殖する。卵期間は約9日,幼虫期間は約2週間であり,約1か月で1世代を経過する。この虫は増えてもイネが枯れるまであまり周辺には広がっていかない。坪枯れが発生し始めるのは主に第3世代の老齢幼虫期であるが,早植えでは第2世代の後半のこともある。




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