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○作物名:イネ

○虫害名:セジロウンカ

 


セジロウンカ○概要
古くは背白浮塵子と書かれていたように背中に白い縦線がある小さな虫である。イネの茎葉から汁液を吸って被害をもたらす。また,夏ウンカとも呼ばれ,夏に多くて秋になるとほとんどいなくなる。

○被害と診断
被害は7月後半〜8月にみられる。主に幼虫の吸汁による被害である。トビイロウンカに比べれば吸汁程度は低いが,ひどく吸汁されるとイネの下葉や茎が黄化し,分げつが抑えられて生育不良となり,出穂が遅れたりする。また,被害が著しい場合には枯れることもある。一般に遅植えのイネに被害が大きい。これはまだイネが小さいことに加えて,このウンカが遅植えの若いイネに飛来しやすいことによる。逆に,早植えのイネでは密度が高まる頃に穂が出るため,穂は加害されて登熟不良や不稔になって減収になる。さらに玄米の主に側面,横向きに割れ目が入り,この部分や周辺が黒変する黒点症状米などが現れて品質低下をもたらす。このような場合には,穂は褐変して褐変穂となり,また虫の排泄物にすす病が発生し穂や止葉が汚れている。これらの吸汁害のほかに,雌成虫が産卵により茎や葉に褐色の傷をつける。これは産卵痕と呼ばれ,セジロウンカ特有の被害であり,この被害が多ければ多飛来している。
成虫は体長が約4mmで,体色は灰褐色〜黒褐色で背中に白い縦線がある。幼虫は紡錘形でひし形にみえ,体色が白色で背中に不規則な雲状の模様がある。幼虫は水面に落ちると,後脚を大きく開く。

○発生生態
島根県内では越冬することはできず,毎年梅雨期に海外から飛来する。中国大陸での低気圧の発生や下層ジェット気流の流れなどが飛来時期や飛来数に影響する。トビイロウンカとともに飛来するが,トビイロウンカよりも飛来数はずっと多い。飛来成虫が産卵し,その子孫が被害をもたらすわけであるが,本県では第1世代幼虫による被害が最も重要で,第2世代の加害はほとんど問題とならない。水田内では局部的に発生することはなく,又イネのどの部分でも寄生する。卵期間は1週間弱,幼虫期間は2週間弱である。

 

 

 

 


 

 

 


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