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○作物名:イネ

○病害名:ばか苗病


ばか苗病

○概要
本病は,箱育苗の普及によって発病しやすい条件がそろったことや,種子消毒に用いられるベノミル剤(ベンレート)の効果が,薬の効かない菌(耐性菌)の出現により不安定であるなどの理由から,全国的に多発傾向にある。島根県においても,1984年に多発生が見られたが,その後はやや減少傾向にある。

○病徴と診断
育苗期から収穫期まで発病する。育苗期での発病苗は,茎葉が徒長して草丈が高く淡黄緑色となる。また,根数が少なく,もみに菌糸がまつわりつき,葉鞘の基の部分や根が暗褐色となる。また菌の密度が高いと発芽しなかったり,芽が出た直後に立枯れとなる。見かけ上は健全であっても,育苗中に感染し,保菌している苗を本田に植えた場合には,やがて徒長して草丈が高くなり,葉は黄緑色で分けつは少なく,上の節から盛んにひげ根がでる。本田移植後,早くに症状が現れた場合には,出穂することなく枯死し,出穂しても不稔となることが多い。そして,枯死株の葉鞘あるいは節の表面に白色〜淡紅色の粉状物(分性胞子塊)を形成する。登熟期まで残った発病株は,草丈が高く,穂は短く,粒数も少ない。そして,出穂期も数日早まる。開花時にもみが侵されると,頴の合わせめに沿って淡紅色の胞子塊が現れることがあり,いわゆる赤もみとなる。

○発生生態
病原菌は種もみ上で越年し,翌年苗に感染し,発病を起こす。保菌もみを播種すると,菌がシベレリンという物質を産生し,これが徒長を起こす原因となる。育苗箱ではもみが接触しているので,菌が発病もみから周辺の健全もみへ伝染し,発病を引き起こす。発病苗あるいは感染苗を本田へ移植するとやがて枯死し,胞子が形成される。胞子は降雨があると飛散し,開花中のもみに付着したりあるいは頴内に侵入し,汚染もみとなる。出穂期の高温多湿はもみの感染を助長する。

 

外部リン日本植物病名データベース

イネばか苗病(外部サイト)

 


 


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島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
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