○作物名:イネ
○病害名:ごま葉枯病,すじ葉枯病
○概要
葉に発生するほか,穂に発生し,本県の穂枯れの主要な原因となっている。両病害とも還元田や漏水田などの秋落ち田で発生が多く,風土病的性格が強い。このようなところでは減収となるほか,品質の低下をまねくため重要な病害となっている。
○病徴と診断
ごま葉枯病;主として葉,穂に発生する。苗では下位葉に褐色〜暗褐色の条斑ができる。そして,葉がねじれて伸長がとまる。激しい場合には枯死する。
本田では幼穂形成期ごろから下葉に病斑が形成され,穂ばらみ期以降急激に増加する。病斑は周りが褐色で中央が灰褐色〜灰白色楕円形のあたかもゴマ粒の様な形をしている。また,病斑には同心円状の輪紋がみられる。穂ではミゴ,穂軸,枝梗に,はじめ周辺が明瞭な黒褐色の条線ができ,のち全体が褐変,枯死する。もみでは暗褐色,楕円形の病斑をつくる。発生が多いともみ全体が暗褐色となる。
すじ葉枯病;葉では巾1〜2mm,長さ1〜2cmの紫褐色の条線ができる。また,葉鞘の上部に長さ2〜4cmの紫褐色の病斑を形成する。穂軸,ミゴでははじめ周辺のぼんやりした紫褐色の条線をつくる。のち全体が褐変,枯死する。もみには病斑はできないことが多い。
○発生生態
ごま葉枯病;被害わらや籾で越冬する。翌春水分を得ると胞子ができ,飛散して伝染する。本病は窒素,リン酸,カリ,マグネシュウム,マンガンなどが欠乏すると発生が多い。
すじ葉枯病;被害わらで越冬する。翌年この上に胞子をつくり,イネに伝染する。生育不良のイネとくにカリ,リン酸の欠乏した場合に発生が多い。品種間に発生の差が見られ,日本晴で多く,ヤマビコ,コシヒカリで少ない。
○外部リンク日本植物病名データベース
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