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○作物名:イネ

○病害名:紋枯病


紋枯病の写真

 

○概要
イネではいもち病についで重要な病害である。現在行われている機械移植は栽植密度が高いため,また早期,早植栽培は高温期に出穂を迎えるために発生が多い。

○病徴と診断
普通,葉鞘に病斑をつくるが,まれに葉や穂を侵すことがある。病斑はまず水際部に近い葉鞘に周縁が暗緑色〜褐色でやや水浸状,内部は緑灰色〜灰白色の楕円形病斑が現れる。のちに上の葉鞘へと進んでいく。発病が激しいときには病斑は互いに一緒になって,葉も葉鞘も枯れ上がり倒伏しやすくなる。古い病斑を見るとはじめ白色の菌糸のかたまりができ,のちに大きさ2〜3mmの褐色の菌核ができる。また,白い菌糸がクモの巣のようにからんでいるのが見られる。

○発生生態
病斑上にできた菌核が土壌中に落ちて冬を越す。越冬した菌核は代かきなどにより水面に浮かびイネ株に付着する。最も安定して付着するのは1株系数が10本以上になった頃である。気温が22〜23℃以上で株間湿度が高くなると,菌核から菌糸が伸びイネに侵入し発病する。穂ばらみ期頃まではこのように菌核や隣の発病株から菌糸が伸びて伝染し発病株が増加する。穂ばらみ後期頃からは病斑がどんどん上の葉鞘へ進展する。紋枯病菌の生育と侵入に最も適した温度はそれぞれ28〜32℃,30〜32℃と高く,真夏に発生が多い。このような発病に好適な条件下では侵入後1〜2日で病斑ができる。早期栽培で発生の早い圃場では6月10日頃から発生する。
高温の長く続く年に発生が激しく,被害も大きい。早期,早植栽培では発病が多く,1株の植え付け本数が多くなるほど発病が多い。また,多窒素で発病が多くなり,カリは発病を抑える。現在栽培されている品種のなかには抵抗性のものはない。
 

外部リン日本植物病名データベース

イネ紋枯病(外部サイト)


 


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農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
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