○作物名:ダイズ
○病害名:タネバエ
○概要
幼虫が播種したダイズの種子を加害する。このほかにインゲン、ソラマメなどのマメ科やキュウリ、カボチャなどのウリ科など多くの作物の種子も加害する。島根県内のどこにでも発生がみられ、とくに未熟堆肥や鶏ふんなどを多く施用した畑で多い。
○被害と診断
本種の被害は幼虫の加害によって現れるもので、播種時から発芽初期に限られる。被害は発芽前の種子、幼芽および幼茎などにみられる。種子では水分を吸って膨らんだ種子の外皮が柔らかくなった頃に幼虫が外皮に穴をあげたり、外皮の隙間から侵入し、発芽前の種子の内部を食べ尽くす。幼虫の密度が高いときには1個の種子に10数頭が寄生して食害していることがある。幼芽では、芽がまだ土の中にあるときに双葉の間に入って食害するので、双葉に傷が残り、後の生育が悪くなる。また、芯芽が加害されると枯死する。芽が地表に出ると幼茎や幼根を加害する。その後、本葉が2-3枚になると茎や根は硬くなるので食入することはない。
幼虫は白色-黄白色のウジで、老熟すると長さ6mmぐらいになる。成虫は長さ5皿程度のハエで、雄は暗黄禍色-暗褐色、雌は灰色-灰黄色である。蟻は長径4.0-5.3mm、短径1.4-1.9mmで、わずかに平たい紡錘形である。色は最初、黄褐色であるが、のちには黒褐色になる。
○発生生態
年に4-5回発生する。越冬は幼虫、蛹および成虫で行われ、3月下旬-4月上旬頃の気温がかなり低い時期から活動を始める。成虫は活動的で未熟堆肥や鶏ふん、油かすなどの有機質の腐った臭いのする所や、耕したばかりの湿った畑に集まり、土のかたまりが地面と接触している部分などに点々と産卵する。成虫の生存期間は50-100日で、雌成虫は700-1000個の卵を産む。幼虫はふ化すると土のなかに潜り、有機質を食べながら発育する。卵から成虫になるまでの期間は春期と秋期の気温が比較的低いときは40日程度、夏期の高温時には20日程度である。
○防除法
1.未熟堆肥や鶏ふんなどの臭気の強い有機質肥料は成虫を誘引するので播種時には使用しない。
2.薬剤による防除は、播種時に粉剤または粒剤をまき溝に1回施用する。
資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑
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