○作物名:ダイズ
○病害名:ウコンノメイガ
○概要
成虫は中型のガで、幼虫が葉をつづり、そのなかで葉を食害する。島根県全域で発生が見られるが、年や地域による発生の変動が大きい。
○被害と診断
この虫の幼虫は葉を巻き、なかに潜んで葉を食害する。幼虫の動きは敏しょうで驚くと尾部から激しく体を動かしながら後方に動き、葉から落ちたり葉の陰に隠れたりする。老齢幼虫は1〜数枚の葉を縦長の円筒状に巻き込み、糸でつづり合わせて食害する。突発的に多発生すると葉が早期に黄化して落葉するので、かなりの減収になる。しかし、種子を直接食害しないので見た目よりは被害が少ない。
被害は開花期が産卵最盛期(成虫多発生期)とー致する場合、産卵最盛期に茎葉がよく茂っている場合および遅まきして窒素肥料を多用した場合に多い。また、同じように葉を巻く害虫にミスジノメイガがいるが、幼虫や被害がよく似ているので区別は難しい。
成虫は翅を開いた長さが25〜30mmで、全体に淡い黄褐色-灰褐色である。幼虫の頭はやや緑色を帯びた黄褐色であり、体は白色を帯びた黄緑色で油を塗ったような弱い光沢がある。全体に細毛がまばらに生えており、終齢幼虫は体長20mm程度になる。蛹は長さ14mm程度で褐色で細長い。卵は長卵形で平べったく、長径lmmである。表面には網目状のしわがあり、白色半透明である。
○発生生態
年に2〜3回発生する。島根県では7、8月に発生が多い。卵は1〜数個を葉脈に沿って産みつけられる。幼虫は葉から葉へ移りながら5回脱皮し、巻いた葉のなかで蛹になる。卵から成虫になるまで30〜40日かかり、ダイズで2世代を過ごすようである。また、ダイズに発生する前に雑草で幼虫が発生することがあるが、これがダイズにとって有力な発生源となるかどうかは明らかでない。突発的な大発生は多数の成虫が飛来したためと思われるが、越冬状況や発生源などは不明である。この虫はダイズ、インゲンマメ、リョクトウなどのマメ科作物を加害するが、クローバでの被害は知られていない。雑草ではアカソ、カラムシが寄主として知られている。
資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑
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