○作物名:ダイズ
○病害名:カメムシ類
○概要
カメムシ類はダイズの主要な害虫であり、島根県で発生する主な種類はアオクサカメムシ、ホソヘリカメムシ、イチモンジカメムシ、ブチヒゲカメムシなどである。成虫、幼虫とも種子を吸汁加害し、ダイズの不稔はこのカメムシ類によって発生することが多い。また、カメムシ類の発生は山間地および平坦地でも雑草地に近い畑で多い。
○被害と診断
莢がつき始める頃に成虫が周辺の雑草地などから飛来し、莢が黄色くなり始める頃まで吸汁加害を続ける。被害程度は加害する時期の莢や種子の発育程度によって異なる。
莢の伸長期に吸汁されると莢は黄変して落ちることが多い。種子の肥大初期に吸汁されると種子は肥大せず、莢は収穫期まで偏平で緑色のまま残るものが多い。種子の肥大中期以降に吸汁された莢を収穫期に開いてみると、種子の小さなものでは原形をとどめず黒褐色〜赤褐色に変色し、莢の内面に付着している。ある程度大きな種子はー部がくぼんで変形し、褐色、あめ色または緑色などに変色したり、変形してはいないが部分的に変色したりしている。
アオクサカメムシの成虫は体長が約14mm、黄緑色〜緑色である。ホソヘリカメムシの成虫は体長が約15mm、暗褐色である。イチモンジカメムシの成虫は体長が約10mm、黄緑色で前胸背には紅色または白色の横縞がある。ブチヒゲカメムシの成虫は体長が約12mm、赤褐色〜黄褐色である。
なお、これらのカメムシ類のほかに茎を吸汁加害するマルカメムシもいるが、この被害は少ない。
○発生生態
これらのカメムシ類は年に2〜3回発生し、成虫が日当りのよい場所の枯草のなかや落葉の間、常緑樹の茂った葉の間などで越冬する。越冬場所から出てきたカメムシ類は種類によってやや異なるが、まずマメ科、アブラナ科、イネ科などの雑草や作物に寄生し、ダイズには莢がつき始める頃から飛来する。そして、発生は莢の伸長が終る頃から種子の肥大が終る頃までが最も多く、莢が黄変する頃まで加害が続く。
○防除法
1.薬剤による防除は、液剤と粉剤は落花後から10日おきに2回散布し、粒剤は落花10日後に株元施用または葉面散布をする。
資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑
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