• 背景色 
  • 文字サイズ 

○作物名:ブドウ

○病害名:白腐病



白腐病徴写真○概要
 本病はわが国のブドウ園で古くから発生しているが,あまり大きな被害にはなっていない。島根県での発生は昭和30年代まではほとんど明らかでなかった。ところが,40年代になって,デラウェアのハウス栽培が盛んとなるにしたがって,本病の発生が問題になりだし,ときには一部の園でかなりの発生をみることがある。

○病徴と診断
 穂梗,穂軸,果梗,果粒,新梢などに発生する。穂梗,穂軸などにははじめ淡褐色,拡大して褐色の斑点ができる。やがて乾燥して枯死し,表面に小黒粒点(柄子殻)ができる。病穂軸についた果粒は果梗付近から白く腐り,多くは脱粒するが一部は乾燥して樹上にミイラ状に残る。白腐れ症状は,房の下の方から始まり,しだいに進展して穂梗節付近に及ぶようになる。このようなときには,果実は健全でも果房全体が地上に落ちることがある。新梢にははじめ褐色で不規則な病斑ができ,拡大すると新芽は枯死して落下する。枝には灰褐色,長さ10cmにも及ぶ病斑ができ,皮層が破れてささら状となり,その上に小黒粒点ができる。

○発生生態
 病果,病枝上で柄子殻で越冬する。露地栽培では5月頃から胞子が雨滴とともに飛散し,果房や枝に達して傷口から侵入し一次伝染する。その後は,新しくできた病斑の上に胞子ができ,これが飛び散って二次伝染する。
 露地栽培では夏季高温で多雨の年とか,台風の通過後に発生が多い。病原菌の侵入感染には水滴かあるいは極めて高い空気湿度が必要であるので,雨よけハウス,無加温ハウスなどでは,雨滴が入る谷間部分に発生が多い。ところが,加温ハウスでは高湿度になりやすいためか,谷間部,棟中心部に関係なく園全体に発生する。密植園,排水の悪い低湿地帯の園などでは発生が多い。

 

 

 

 

外部リン日本植物病名データベース



 

果実の病徴果実の病徴2果実の病徴3
果実の症状


 


お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
 nougi@pref.shimane.lg.jp
  <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方>
  迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。
   以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。
  @pref.shimane.lg.jp