○作物名:ブドウ
○病害名:褐斑病・うどんこ病
○概要
褐斑病は,ブドウではごく一般的な病害であるが,近年,県下の巨峰やデラウェアのハウス栽培地帯で多発する傾向がみられ,問題になっている。一方,うどんこ病は,一般にマスカットや甲州など欧州系の品種に発生が多い病害であり,県下では巨峰の雨よけ栽培などで多発する園がよくみられる。
○病徴と診断
褐斑病;葉のみに発生する。初め枝の基部の葉に黒褐色の小さな斑点が現れ,しだいに上葉に広がっていく。品種によって病斑の形や大きさは違うが,いずれも黒褐色の部分を中心に褐色または赤褐色の病斑となって広がる。病斑の裏側には,褐色ですす状のかびをつくるのが特徴である。一枚の葉に多数の病斑をつくると黄変して早期落葉する。
うどんこ病;葉,新梢,果実に発生する。葉では,はじめ黄緑色の斑点が現れ,やがて表面に白色のかびができる。このかびはしだいに灰白色となり,全面に広がる。緑枝や幼果でも,はじめ白色のかびをつくるが,のちにかびがとれて黒褐色の病斑となる。また,発病した幼果は鉛色となって裂果したり,奇形となって硬くなる。熟果では放射状に変色して黒褐色のあざ状となる。
○発生生態
褐斑病;病原菌は,ブドウの枝などの表面や樹皮の間,あるいは落葉上で胞子や菌糸の形で冬を越す。そして,5〜6月頃の雨で飛び散って葉裏の気孔から侵入し,発病させる。新病斑上には次々と胞子を形成して二次伝染する。本県のハウスデラウェアでは,ビニール被覆を除去した後8月以降に発病が多くなるのに対し,ハウス栽培の巨峰では着色期頃から発病が急増するため,こくに大きな被害を受けやすい。
うどんこ病;ブドウの芽の内部に菌糸が潜んで冬を越し,翌春,新梢が伸び始める頃に伝染して発病する。適度の雨があって蒸すような気象条件下で多発しやすい。
○外部リンク日本植物病名データベース
うどんこ病(果実の病斑)
うどんこ病(新梢、枝、葉の病斑、うどんこ病菌(分生子)
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