○作物名:ブドウ,カキ,チャ
○虫害名:ウスミドリメクラガメ
○概要
ブドウ,カキ,チャのほか他種類の植物の芽や新梢葉を主に加害する。草生および周辺に雑草が生い茂っている果樹園や茶園で多く,春季展開葉に点々と穴があき,葉は破れ傘状となる。
○被害と診断
成虫・幼虫が各種植物の芽に口吻を差し込んで吸汁加害する。加害された芽から伸びた新梢の基部の3〜4葉は多数の穴があき,十分に展開できず奇形葉となる。
ブドウ葉では本種の加害部がはじめ黒褐色の小斑点となり,やや縮れるため黒とう病とよく間違われることがある。また,開花前の花穂および幼果が加害されると顆粒数が減少したり,顆粒が奇形になったりする。
チャ葉では加害部のまわりが赤褐色に変色し,十分に展葉できなくなり,生葉収量が少なくなる。このような被害葉を製茶した場合,製茶した葉の形状が悪くなるばかりでなく,お茶としての品質が著しく低下する。
成虫はほぼ楕円形で,体長は4〜6mm,全体が淡緑色で,前翅は半透明でやや黄緑色である。幼虫はふ化当時約1mmであるが成長すると約4mmになる。成虫・幼虫とも活発に歩きまわり,加害する。
○発生生態
年3回〜4回の発生で,卵あるいは成虫で越冬する。ブドウでは園内あるいは周辺の雑草などで越冬した成虫が4月上旬〜中旬に飛来し,新芽を加害する。幼果期まで成虫・幼虫はみられるが,6月以降になると園内外の雑草や他の植物へと移動するため,ブドウ上では見られなくなる。幼虫は5回脱皮して,成虫になる。
チャでは枝の切り口に産花された越冬卵から4月上旬に幼虫が発生し,新芽や新葉を加害する。成虫は枝の割れ目や切り口に産卵する。本種の被害は一番茶でもっとも多いが,二番茶でもかなり被害がみられる。しかし,7月以降になると雑草や他の植物へ移動するため,三〜四番茶での被害は少ない。
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