○作物名:ボタン、シャクヤク
○病害名:褐斑病、斑葉病、さび病
○概要
これら3病害はいずれも葉に発生するもので、ボタン・シャクヤク栽培地では最も一般的にみられる病害である。褐斑病は生育初期に発生すると、激しい被害をうけることがある。斑葉病、さび病の発生は6月中旬以降に多くなり、早期落葉の原因となる。
○病徴と診断
褐斑病;葉に発生する。はじめ葉面に大小の色あせた斑点が多数現れ、しだいに病斑の中央部から暗褐色に変わり、輪紋をともなう鮮やかな褐色の病斑となる。病斑は互いにくっついて大きくなり、ついには葉全体が枯れてしまう。病斑の表面をよくみると小さな黒粒点(病原菌の子座)がある。
斑葉病;主に葉に発生する。はじめ葉面に、ほぼ円形の小さな紫褐色の斑点が現れ、やがて輪紋状に拡大するとともに、暗褐色で発病部と健全部の境がはっきりした病斑となる。湿度が高いときにはその表面に暗緑黒色のかびが多数はえる。
さび病;葉に発生する。はじめ葉の表面に、周辺がはっきりしない紫褐色の小点が、円形に集合した病斑が現れる。やがてその裏側に淡黄色をした顆粒状のふくらみができ、表皮が破れると淡橙黄色の粉(胞子)がでてくる。その後、長さ2mmくらいの褐色の縮れ毛のようなもの(冬胞子推)を多数つくる。
○発生生態
褐斑病;本病菌は被害植物の組織内で菌糸の状態で冬を越し、次の年の伝染源となる。展葉してまもなくから発病し、湿度が高いときには病斑上に多量の胞子をつくって次々と伝染する。
斑葉病;病原菌は病葉上で菌糸の状態で冬を越し、翌春に胞子をつくって伝染する。開花期前から発生するが、6月下旬以降に被害が激しくなり早期落葉の原因となる。
さび病;本病菌はマツのそうほう病菌と同じである。アカマツに寄生して冬を越し、6月中旬頃、さび胞子を飛び散らせてボタン・シャクヤクに伝染する。
○その他
シャクヤクにおいて、うどんこ病がみられる。葉、葉柄、茎にうどん粉場のかび(菌糸、分生子)が生じ、分生子が風で飛散し伝染する。罹病茎葉上の閉子のう殻で越冬しているとおもわれる。
○外部リンク日本植物病名データベース
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