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○作物名:ボタン、シャクヤク

○病害名:根黒斑病

 


被害状況写真○概要
ボタン苗木の生産量で日本一を誇る本県八束町をはじめ新潟、長野、和歌山、鳥取など他県のボタン、シャクヤク栽培地でも多発し、問題となっている土壌病害である。昭和54年に島根県で初めて原因となる病原菌がつきとめられ、「根黒斑病」と命名された。その後の研究で発生生態の解明がすすみ、防除法が確立されたため、現在、本県での発生は小康状態を保っている。

○病徴と診断
ボタン、シャクヤクの主根、側根、細根などの根部に主として発生するが、茎や、地上に出る前の芽などが侵されることもある。主根では、はじめ表面に黒褐色の少しふくらんだ小斑点が現れ、拡大するにしたがって中央部がややへこみ、直径5〜10mm、ときには30mmに及ぶ大型の病斑となる。発病初期には根の比較的浅い部分が侵されるだけであるが、進展するにつれてかなり深くまで腐敗する。このような典型的な病斑を1本の主根に多数つくるほか根の先端から発病して、主根の大部分が黒く腐敗する場合もある。また、側根や細根が侵されると腐って消失してしまう。根部の発病が激しい場合には、葉は葉縁から褐変し、やがて地上部全体が枯れてしまう。

○発生生態
本病菌は厚膜胞子の形で土壌中で数年間にわたって生存し、新たに植えられたボタン・シャクヤクの根に感染し発病させる。また、病原菌の付着した苗が畑に持ち込まれて、そこで発病する場合もかなり多い。感染・発病には20〜25℃(とくに20℃)の温度が最も適する。また、土壌水分が高い場合に発病が助長される傾向がみられる。年間では5〜7月の病勢が最も激しく、夏期が低温多雨の年にはとくに発生が多い。
ボタンは2年生のシャクヤク主根につぎ木し、本圃でほぼ2年間育成したのち苗木として出荷されるが、シャクヤクの根が若いときほど侵されやすい。また、発根まもない側根や、細根はきわめて弱い。移植の際の傷口などからも発病しやすく、未熟推肥の施用、極端な多肥などによっても発病が助長される。

 

 

 

根黒斑病菌菌そう(左:裏、右:表)
根黒斑病菌菌そう写真

 

 

 

外部リン日本植物病名データベー



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〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
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