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○作物名:バラ

○虫害名:クロケシツブチョッキリ

 


クロケシツブチョッキリ成虫と被害写真○概要
春季のバラで本種による被害が最も大きい。露地栽培に限らずハウス栽培のバラでも発生する。薬剤に対しては弱いが、油断すると新梢や蕾がことごとく加害され、全く開花を見ることができなくなるので注意をはらわなければならない。

○被害と診断
4月中旬頃より開花直前にかけて、新梢の先端あるいは若い蕾をつけた茎の先端近くに針でつついたような黒い斑点ができる。花梗がおかされると花首が折れ曲がり、若い蕾がおかされると花弁が伸びず奇形花となる。若い葉の葉柄にも加害が見られ、葉は萎ちょうした後乾いて脱落する。このような被害を受けた部分を加害直後調べてみると、小さなゾウムシが近くにいる。近づくと落下して見失う。被害部を裂いて見ると中に小さな卵が産みつけられている。
成虫は体長2.5〜3mmの小型のゾウムシで、黒色をしている。早朝は活動が鈍いからよく観察できる。卵は成虫の割に大きく0.8mmぐらいの楕円形で、はじめ淡黄色であり、のちに濃くなる。幼虫ははじめ半透明の小さなウジムシであるが老熟すれば3mmぐらいになる。脚がなく短太である。
バラを加害する類似したものとしてヒメクロオトシブミやイチゴハナゾウムシがある。前者はクロケシツブチョッキリより大きく(5mm)、葉を巻いて篭のようなものをつくる。後者は赤褐色で花梗を切断したり、新梢を加害する。

○発生生態
本種の詳細な生態は不明である。成虫は4月中旬頃から現れ、5月中旬頃に最盛期となる。露地の一番花の若い蕾がようやく膨らみかけた頃に最も発生が多い。その後6〜7月にもみられ、遅いものでは9月頃まで見られるが、その数は少ない。
年1回の発生と思われる。成虫は産卵以外にも口吻を挿入してあちこち傷をつける。産卵は茎内、または若い蕾内に限られる。
幼虫は枯死した茎や蕾を食べて育ち、被害部から先端が脱落する。老熟幼虫は土中で蛹になる。栽培バラ以外に野生のノイバラやツルバラにも寄生する。夏はサルスベリの花蕾にも寄生し、同様の被害を及ぼす。

 

 

 

 


 

 

 


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