○作物名:ハクサイ、キャベツ、あすっこ
○病害名:軟腐病、黒腐病
○概要
ハクサイ、キャベツ、あすっこの病害のなかで、両病は代表的な土壌伝染病性の細菌病である。島根県下でも広く発生がみられ、台風や秋雨のあと多発生することがある。
○病徴と診断
軟腐病
葉および根頭に発生する。はじめ地面に接する葉に水浸状の小斑点ができ、これがしだいに広がり外葉は白茶けて枯れる。やがて株全体が軟化腐敗してどろどろになり、悪臭がする。外葉だけが侵されてみえる場合でも結球内が軟化していることが多い。市場流通の過程で球が軟化腐敗することもある。
黒腐病
主に葉に発生する。本畑では外葉から発生し、葉の縁がV時形または不正形に黄変するとともにこの部分の葉脈が黒く変色する。やがて変色部は拡大していき、古くなると乾いて破れやすくなる。苗床でも発生し、子葉先端のへこんだ部分が黒変する。
○発生生態
軟腐病
アブラナ科野菜をはじめ数十種類の植物に寄生する。病原細菌は主に寄生植物の根の周辺に生存し降雨などによって土とともに葉上に運ばれ、傷口などから侵入する。被害株で増殖した細菌は風雨などにより飛散し、二次伝染する。秋季温暖多雨、排水不良、窒素過多のときなどに発生が多い。台風などで傷が着いたり、害虫の食害を受けた場合にも多発生する。
黒腐病
病原細菌は被害を受けた茎葉とともに土中で生存しているほか、種子に付着して伝染し、苗床での発生原因となる。土中で生存している細菌は降雨の際の雨滴などにより葉上に運ばれ、葉の傷口などから侵入する。侵入後数日で発病する。育苗期に大雨があったり、5月と9〜10月頃が低温多雨の場合には発生が多い。品種により発病程度に差があり、一般に早生種は弱く、晩生種は強い。このほか、ブロッコリー、カリフラワーなどアブラナ科作物を侵す。
○外部リンク日本植物病名データベース
あすっこ軟腐病の病徴
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