○作物名:キャベツ、あすっこ
○病害名:根こぶ病
○概要
本病は、キャベツをはじめ各種のアブラナ科野菜に発生し、いったん発生すると防除が困難なため、キャベツ栽培上もっとも恐れられている土壌伝染性の病害である。島根県下では近年、発生が増加し、本病のためにアブラナ科野菜の栽培ができなくなった圃場もかなりみられる。
○病徴と診断
地際近くの根に大小のこぶが多数できるのが本病の最大の特徴である。この病気にかかった株は全体に生気を失い、青天の日には茎葉がしおれる。茎葉のしおれは朝夕に回復することもあるが、生育は進まず、枯死することが多い。このような症状は定植後1か月頃からみられる。被害根はやがて褐色に変わり、二次的に寄生する細菌により腐敗し悪臭を放つことがある。
なお、ネコブセンチュウの被害を受けた場合にも根にこぶができるが、こぶは小さく、根全体に形成されるので本病とは区別することができる。
○発生生態
病原菌はかびの一種であるが、菌糸体がなく、アメーバ状をしている。これが成熟すると球形の特殊な胞子(休眠胞子)となり、被害根や土壌で数年間生存し伝染源となる。この胞子は発芽して遊走子を出し、水中を泳ぎまわって新根、根毛に侵入後細胞を侵し増殖する。侵入を受けた根は細胞の異常増殖をきたしこぶができる。その後、こぶの中におびただしい数の休眠胞子がつくられる。病原菌は長期にわたり土壌中に生存するため、農作業にともなう土の移動や降雨等を通じ発生畑から周辺へ広がることが多い。
日長時間が長く、地温が高いと発生しやすく、水分を好むため低湿地や排水の不良地で発生が多い。また酸性土壌は発生を助長する。ハクサイ、カブ、キャベツ、ダイコンの順にかかりやすい。
○外部リンク日本植物病名データベース
あすっこの被害状況あすっこ根こぶ病の病徴
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