「第6回しまねいきいき雇用賞」受賞企業のその後
従業員20人未満の企業等の部門
- 株式会社トレンド(松江市:印刷・デザイン)
子育て世代の社員に配慮した職場づくりや社員のスキルアップに向けた支援制度などの取組により第6回しまねいきいき雇用賞を受賞しました。人財育成を支援するため、研修参加経費や資格取得費用のほか、大学授業料など仕事に関わるものであれば会社が負担し、能力向上に役立てておられます。受賞後には、キャリアコンサルタントに助言をもらいながらキャリアマップの作成に取り組んでおり、将来を見据えることで、社員の成長を応援しています。
徳田社長は、「職場の働きやすさを重視しており、多様な働き方を可能にしている。社内制度などを上手く活用することで、個々の幸せを目指し、社会に貢献していきたい。」と語っておられました。
従業員20人以上の企業等の部門
イマックス株式会社(出雲市:上下水道工事・空調設備工事等)
仕事と子育て・介護の両立を支援する取組や、委員会活動を通した魅力ある会社づくりなどにより、第6回しまねいきいき雇用賞を受賞しました。受賞時は3つの委員会を設けることで組織としての一体感を醸成していましたが、喫緊の課題に合わせて新たに6つのプロジェクトチーム(女性活躍チーム、生産性向上チーム、環境改善チーム等)を立ち上げることで、理想の職場環境に近づけるための取組を行っています。
また、時間外労働時間を削減するため、勤怠管理システムによる管理を徹底し、目標値を超える場合は注意喚起を促しています。さらにITツールを導入したことで、現場での仕事が可能となるため会社に戻る必要がなくなり、効率的で柔軟な勤務体制につながっています。
引き続き、プロジェクトチームによる活動をはじめ、働きがいのある会社になるよう取り組んでいきたいとのことです。
- 株式会社コダマサイエンス(松江市:シロアリ防除・駆除工事等)
人事評価制度の整備や社員を「じっくり育てる」経営方針により社員満足度の高い会社をつくっています。評価基準が可視化された制度に改定することで個人の目標も立てやすくなり、モチベーションの向上につながっているとのことです。同社は新入社員の離職率が低いことも特徴であり、社員の成長を見守る社風のほか、学校の先生との連携による充実したフォロー体制が要因となっています。
また、夏の暑い時期に現場仕事をする社員に向けた猛暑手当や、子どもの進学を控える社員に対して家族手当の加算を行うなど、独自の取り組みにより社員とその家族を応援しています。
小田社長は、「働きやすい職場に向けて、トップダウンで取組を進めるのではなく、社員の声を拾うことで制度化につなげている。会社が大きくなれば一つ一つの意見を反映することは難しく、小規模の会社ならではの利点を生かしたい。」と話しておられました。
- 株式会社後藤建設(飯南町:建設業)
建設業では先進的な取組といえる完全週休二日制・完全月給制の制度化、有給休暇取得の義務化に先立ち全社員が一斉に有給休暇を取得する計画的付与制度の導入など、働き方改革の推進により第6回しまねいきいき雇用賞を受賞しました。その他にも時間単位での有給休暇を制度化することにより、ワークライフバランスを実践しています。
また、高齢者雇用を進めている同社では、年配の方も多く、社員の健康管理に努めています。健康診断で要精検の方に通院を進めることで、病気等を未然に防ぎ、長く健康的に働ける会社を目指しています。
同社の後藤専務取締役は、「当賞の受賞により自社の特色は示せたため、企業説明会への参加や広報媒体を通して積極的に発信することで雇用につなげたい。また、女性が活躍できる雇用環境の整備も行っており、女性の採用も進めたい。」と語っておられました。
サンベ電気株式会社(松江市:電気設備の設計・施工等)
ダイバーシティ経営を実現するため、若者や女性、高齢者等が活躍できる職場に向けた取組を行っています。女性が働きやすい環境づくりを進める上で、女性社員だけを集めた会議を開催し、普段感じていることを話し合う機会を提供しています。実際にその場で出た意見を基に改善を行っており、女性社員の意識向上につながっているようです。また同様に、各営業所の若手社員を集めた交流会も行っています。同社は6つの営業所があり、年齢の近い社員が周りにいないケースもあることから、交流を通して同世代間の仲間づくりや情報共有を図っています。
さらに、感染症対策のためにマスクの支給や人間ドックに係る費用を会社負担するなど、安心して働き続けられる環境整備に取り組んでいます。
今後は障がい者雇用も進めていきたい意向があり、社内であいサポート研修を受講して理解を深めることで、受け入れ体制を整えているところだそうです。
- サンライフほのぼの有限会社(江津市:保育園・老人ホーム・児童クラブ運営)
同社では、職員が主体的に事業運営に関わることで、やりがいをもって働ける職場を実現しています。保育園の園庭整備に取り組む際には、プロジェクトチームをつくり、職員に全て任せることで計画を進めていきました。また、地域に密着した施設であることから、利用される方をはじめとする関係者からの意見を取り入れるなど、地元とのつながりを大切にしておられます。
こうした一丸となっての取組に加え、新たに個人面談や少人数会議を設けたことで、意見が言いやすい環境になっているそうです。様々な意見がある中で、就業規則の変更に至った例もあり、従業員満足度の高さにつながっています。
さらに、社員の希望に沿った勤務形態により、柔軟な働き方がしやすい環境整備が進められています。
株式会社ニッポー島根工場(奥出雲町:温度湿度調節器等の設計・製造・販売)
同社は、子育て世代に寄り添った支援や社員間の親睦を深める「飲みニケーション」などの取組で第6回しまねいきいき雇用賞を受賞しました。時間単位で有給休暇が取得できることで、子どもの学校行事への参加などに柔軟に活用されています。また、男性社員の育児休業制度の利用もあり、休業者のシフトをカバーする体制が整っていることで、利用に向けた気運が高まっています。例年行われていた親睦会は、コロナ禍により開催できていないとのことですが、社内掲示板を充実させることで、新しいコミュニケーションのきっかけになっているそうです。
さらに、奥出雲町にある工場に加え、出雲市にもサテライトオフィスを設けており、出雲市在住者の通勤の負担を軽減しています。内田工場長からは、「社員の待遇の改善やサテライトオフィスの設備強化により、就労環境を整えたい。」と今後の展望をお話しいただきました。
- 株式会社豊洋(松江市:総合建設業)
人材確保が難しい建設業界において、成果に報いる技術者第一の給与・人事制度を導入することにより社員の意欲を高め、定着率の向上に取り組んでいます。その結果、制度導入後の定着率は高くなっているとのことです。受賞後の新たな取組としてキャリアパスの支援を行っており、目指すキャリアに必要な業務経験や資格等を明確にすることで、社員の成長を促しています。また、専門学校とタイアップすることで資格取得にかかる費用の割引が可能になるなど、会社がバックアップしています。
現在は外部コンサルタントの協力のもと、受注増を目的とした事業支援プロジェクトを進めているそうです。同社の濱崎総務部長は、「会社の存続には成長し続けることが不可欠。その為にも状況に応じた継続的な改善活動が必要です。」と話しておられました。
- 有限会社本田商店(雲南市:出雲蕎麦製造・販売)
早退時間に対し給料を払う仕組みづくりなどの生産性向上に向けた取組により、第6回しまねいきいき雇用賞を受賞されました。
同社では、その日に予定していた業務が終われば早退を認めており、早退分の時間にも給料を支給する制度をつくることで、残業時間の削減につなげています。また、多能工化を図るとともに、10日間連続休暇制度の導入などにより有給休暇取得を促進しています。担当者の感覚に頼る業務のやり方から、他の従業員でも理解できるように業務マニュアルを作成したことで、誰が休んでも補完できる体制になり、休暇が取りやすくなったとのことです。
さらに、隙間時間を利用した掃除を勧めることにより、職場環境の整備にも努めておられます。
本田社長は、「様々な取組の成果もあり、人材確保・定着が図られている。従業員に誇りを持ってもらえる会社を目指したい。」と話しておられました。
まるなか建設株式会社(松江市:総合建設業)
同社は、積極的なインターンシップの受け入れや社員の健康管理に配慮した取組を実践しており、受賞後も継続されています。建設業のイメージアップのため、地元の高校生等を対象とした1週間程度の就業体験を行うことで、自社をはじめとする業界についての理解を深めてもらう機会となっています。特別支援学校から実習生の受け入れも進めており、実習がきっかけとなり採用につながった例もあるそうです。
平成29年から、新入社員を年齢の近い社員がサポートするメンター制度を導入。定期的な面談を通じて不安や悩みを解消することで、職場定着を図っているそうです。
また、社員の健康管理を徹底して行っており、管理栄養士による食育研修の開催やストレスチェックの実施等の取組により国の健康経営優良法人に認定されています。ノー残業デーやリフレッシュ休暇を設けていることで、心身の健康を保ち、ワークライフバランスの取れた働き方を推進しておられます。
- モルツウェル株式会社(松江市:高齢者施設向け食材の製造販売等)
同社では、キャリアビジョンを描きやすくするため、社員自らが目標設定を行う「成長シート」の導入により人材育成を行っています。上司との面談において、達成状況を共有し、評価することで、双方の考えを見える化しています。野津専務取締役は、「上司からやらされるのではなく、主体性を持って取り組むことで個人の成長につながっている。」と言っておられました。
働き方改革に力を注いでおり、受注システムの構築による脱属人化を進めることで、生産性向上を図り、時間外労働の縮減や休暇の取りやすい職場づくりに取り組んでいるところです。
今後は、部下を育成する能力も高めていく必要があると考え、挑戦する組織風土の構築を意識して行っているようです。
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