本文へジャンプ トップ > 医療・福祉 > 薬事・衛生・感染症 > 感染症 > 感染症情報トップ > 年報
感染症情報トップ
対象疾患一覧
疾患別
カレンダー
感染症 年報
グラフ一覧

2007(H19)年 <  2008(H20)年 年報  > 2009(H21)年
目次I.概要II-1.発生状況の解析と評価II-2.定点把握疾患発生状況III.検査情報
ウイルス検査情報細菌検査情報流行予測検査
2.感染症流行予測調査
1)ブタにおける日本脳炎ウイルスHI抗体保有状況 2008(平成20)年
 2008(平成20)年7月から9月の間、島根県食肉公社(大田市)で採取したブタ血清についてJaGAr#01株に対するHI抗体の推移および2ME感受性抗体を測定した。結果は、下表に示すとおり、7月中旬(7月16日)に10頭中8頭(80%)が抗体陽性となり、以降7月下旬(7月30日)から9月中旬(9月17日)にかけて30〜90%で推移した。2ME感受性抗体は、7月中旬(7月16日)3頭、8月上旬(8月8日)1頭、8月下旬(8月27日)1頭、9月上旬(9月5日)2頭、合計7頭から検出された。
*本調査は平成20年度感染症流行調査実施要領(厚生労働省)に基づき行った。
表29 ブタの日本脳炎ウイルスHI抗体保有状況:2008(H20)年
採血月日検査頭数HI抗体価HI抗体陽性率2ME感受性抗体1
<1010204080160320≧640(≧10)%検査数2陽性数(%)
7月16日1024121   8033(100)
7月30日10451     60  
8月8日10522 1   5011(100)
8月20日1073      30  
8月27日101351    9011(100)
9月5日101612    9022(100)
9月17日204115     80  

 1:2-メルカプトエタノール(2ME)感受性抗体(感染初期のIgM抗体の存在を示す)
 2:HI抗体価 1:40以上

 ブタはヒトよりも日本脳炎ウイルスに対する感受性が高く、その多くは食用として生後6〜8ヵ月でと殺されるため、ブタの日本脳炎ウイルスに対する抗体保有を調査することで、年ごとにおける同ウイルスの蔓延状況をモニタリングできる。島根県においては、ここ数年(2005(平成17)〜2008(平成20)年)、ブタのHI抗体保有率は、高い傾向にある。さらに、2ME感受性抗体陽性ブタの出現時期も、夏の早い時期に(7月中旬から8月中旬)検出されるようになった。(表30)
 日本脳炎の届出患者数は、全国で毎年数例の報告があり、島根県でも、2002(平成14)年に1例、2005(平成17)年に1例、2007(平成19)年に1例の報告があった。(表4)
表30 ブタの日本脳炎ウイルス抗体保有状況の推移
2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年
(H14)(H15)(H16)(H17)(H18)(H19)(H20)
HI抗体陽性率(≧10)6.3%5.7%2.2%64.4%30%17.5%70%
2ME感受性抗体陽性時期9月上旬9月上旬7月下旬8月中旬8月中旬7月中旬
陽性率5.6%3.6%0%33.3%21.3%2.5%8.8%
陽性数950301727
検査頭数1601409090808080
患者数(全国)81577103

島根県感染症情報センター