夏場に流行する無菌性髄膜炎
●発生状況
無菌性髄膜炎は、例年夏期に流行します。
【2015年の流行状況】
9月に入り、出雲圏域及び大田圏域で患者報告数が増加しています。第1週〜第36週現在までの県内の患者報告数は計35件となっています。
7月及び8月には、県中部で エコーウイルス 18 型及び 3 型が検出されており、今後の動向に注意が必要です。
【 過去の流行状況 】2013年は、出雲圏域を中心に5月頃から患者報告数が増加し、8月〜9月をピークに年間63件と2007年(108件)に次ぐ流行となりました。
●感染経路
感染者の咽頭分泌物、鼻汁、糞便の飛沫、経口感染によります。
●病原体
2007年の流行では、患者から主にエコーウイルス30型が検出され、また、10月以降はコクサッキーウイルスB群も検出され、年末まで流行が続きました。
2013年は、エコーウイルス6型、30型のほか、コクサッキーウイルスB3型、エンテロウイルス71型も検出されています。
特に、エンテロウイルス71型による無菌性髄膜炎は、重症化することがあり注意が必要です。
●潜伏期
原因ウイルスによって異なりますが、エンテロウイルス(エコーウイルスやエンテロ71型など)の場合は4〜6日です。
●臨床症状
咽頭炎で始まることが多く、発熱、頭痛、嘔吐が主な症状で全身倦怠、腹痛、下痢を伴うことがあります。
痙攣は少なく、乳児では不機嫌、髄膜刺激症状がみられます。臨床症状は2週間以内に軽快し、脳炎などを伴なわなければ予後は比較的良好です。
●治療と予防
脱水に対する補液と対症療法が中心となります。
発症後数週間は便中にウイルスが排泄され感染源となることから、排泄物の適切な処理と手洗いを行い、
吐物は家庭用漂白剤により消毒をします。