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ウイルス性肝炎
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ウイルス性肝炎(B型及びC型肝炎)

【肝炎ウイルス無料検査】
 ウイルス性肝炎は抗ウイルス療法(肝炎ウイルスを肝臓から追い出す)や肝庇護療法(肝細胞の破壊のスピードを抑える)といった治療法が発展しています。 早期治療につなげるためにも、早期の検査受診が重要です。
 早期発見のためにも、肝炎ウイルス検査(肝炎検査)を受けた経験のない方には、肝炎ウイルス検査を受診されることをおすすめします。 一生に一度は必ず肝炎ウイルス検査を受けましょう。
肝炎ウイルス検査は、保健所及び指定の医療機関で無料で受けられます(感染症対策室のページ)
発生状況
 主たる感染源となるキャリア(ウイルスに持続的に感染しているが発症していない人)は、 B型肝炎の場合人口の1.5%程度であり、若年層ほど少なくなっています。さらに1986年より実施さた B型肝炎母子感染防止事業により、新たな感染者は年間300人程度に過ぎなくなっています。
 C型肝炎は、年齢が40歳以上の人に過去の血液製剤や不潔な医療行為により感染した200万人以上 のキャリアが存在しています。
 輸血血液のスクリーニング実施により、輸血後のB型・C型肝炎は激減しています。
病原体
 B型肝炎ウイルス(HBV)はヘパドナウイルス(DNA型)です。
 C型肝炎ウイルス(HCV)はフラビウイルス(RNA型)です。
感染経路
 B型肝炎はウイルスキャリアや急性肝炎患者からの血液を中心とした唾液、精液などの体液を介した経皮、 経粘膜感染で、不潔な医療、汚染血液製剤、母子感染、性感染が経路となります。
 C型肝炎ウイルスは、感染者の血液中のウイルス量は少なく、唾液、精液にはウイルスは含まれない とされています。またC型肝炎の母子感染、性感染(女性→男性)の頻度は少ないようです。
潜伏期
 B型は45〜180日、C型はやや短く14〜180日ですが、いずれも侵入ウイルス量によって異なります。 感染期間は急性B型肝炎では1〜2ヵ月間ですが、乳幼児期感染では80〜90%以上が長期間ウイルスを 排泄するキャリアとなります。
 C型肝炎では感染年令に関係なく高率(60%以上)にキャリアとなります。
臨床症状
 全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、上腹部膨満感、尿の濃染で始まり、黄疸がみられるようになります。 C型肝炎では、軽度あるいは無症状で経過することが多くあります。 成人感染の場合、B型肝炎はほとんど慢性化しませんが、C型肝炎では高率に慢性化します。
検査室診断
 B型はIgM・HBc抗体の検出を行います。早期にHBV DNA、Hbe抗原、HBs抗原量の低下または 陰性化の場合は急性肝炎、またHBs抗原量が経過に伴って減少がみられない場合はキャリア化、 慢性肝炎に進展している場合が多いようです。
C型はHCV抗体の高力価または上昇、HCVRNA陽性によって診断します。
治療と予防

 ウイルス性肝炎の治療は近年劇的に進歩しており、C型肝炎においては、インターフェロンによる治療に加えて、内服のみでウイルスを体内から排除する「インターフェロンフリー治療」がおこなわれています。B型肝炎でも核酸アナログ製剤によるウイルス抑制や、インターフェロンによる治療がおこなわれています。
肝炎治療医療費助成制度について(島根県健康福祉部健康推進課)
 B型肝炎の予防法にはHBワクチンがあり、乳幼児には2016年10月から定期の予防接種がおこなわれています。HBVワクチンは任意の予防接種も可能です。
 C型肝炎にはワクチンがなく、特異的な予防法はありません。
 B型、C型ともに血液付着物による外傷(針刺し事故等)に注意が必要です。
感染症法での取扱い
 全数把握の5類感染症に指定されていて、急性ウイルス性肝炎として診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出ることになっています。なお、診断時点で特に急性感染の症状がないなど、過去の感染と診断された場合は、感染症法による届出は不要です。
ウイルス性肝炎

B型・C型肝炎

リンク
島根県感染症情報センター