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ネコひっかき病
注目情報リストネコひっかき病

ネコひっかき病(Cat scratch disease)

 ネコによるひっかき傷や咬傷が原因となり、傷のある側のリンパ節の腫れや発熱を主な症状とする感染症です。
発生状況
ねこの図  古くから知られ、発生頻度の高い感染症とされていますが、実態は不明です。
病原体
 多形性の小桿菌でグラム陰性の細菌、バルトネラ ヘンセレ(Bartonella henselae)が病原体です。
 ネコが感染源で5〜15%が保菌している(ネコ自身は発症しない)とされています。
感染経路
 主にネコによる噛み傷、ひっかき傷によりますが、 ネコに吸着したネコノミも病原菌の伝播に重要な役割を担っているとされています。
潜伏期
 数日から3週間(平均2週間)です。
臨床症状
 ネコによる噛み傷、ひっかき傷を受けて数日後から受傷部位の皮膚に丘疹や水疱、膿疱が生じます。 次いで対応部位の痛みを伴うリンパ節の腫れが数週間から数ヵ月持続します。 症例の40%ぐらいにリンパ節の化膿がみられます。発熱は数日で解熱しますが、 頭痛や全身倦怠感を併うこともあります。予後は一般に良好です。
 この他、免疫不全状態にあるヒトへのバルトネラ ヘンセレの感染では、 心内膜炎を伴う菌血症性の発熱、HIV感染者では皮膚にカポジ肉腫様の細菌性血管腫が知られています。
検査室診断
 蛍光抗体法による血清診断法が開発されています。
治療と予防
 軽症例は自然に治癒しますが、リンパ節腫大が長引くときはテトラサクリン系、 マクロライド系抗生物質の経口投与による治療が有効です。
 予防法はネコによる外傷を避けること、傷を受けた場合は傷口の消毒を行います。 また、ネコの衛生状態(ネコの爪きり、ノミの駆除)に気を付けます。
ワクチンはありません。
感染症法での取扱い
 感染症法では届け出等は指定(規定)されていません。
ネコひっかき病
島根県感染症情報センター