• 背景色 
  • 文字サイズ 

エイズに関するQ&A

 エイズのこと、知っていますか?決してあなたに無関係ではありません。

 HIV(エイズの原因となるウイルス)は、年齢に関係なく、誰でも感染する可能性があります。

 「自分には関係ない。」と思っている方、エイズはあなたにとって、本当に無関係でしょうか?

 

 HIV/エイズに関する正しい知識が一番の感染予防であり、そしてエイズに対する偏見・差別を根絶します。

 まずは、あなたからHIV/エイズのことを知ってください。

 

Q1:エイズってどんな病気?

 

 HIV(エイズの原因となるウイルス)に感染したことにより、免疫機能が破壊される病気です。

 私たちの体には病原体(病気の原因となる微生物。細菌やウイルスなど。)から身を守るために、「免疫」と呼ばれる仕組みが備わっています。

 その中心的な役割を果たすのが、白血球中の「ヘルパーT細胞(CD4リンパ球)」であり、HIV(HumanImmunodeficiencyVirus:ヒト免疫不全ウイルス)はこの細胞を破壊するウイルスの名前です。

 エイズ(AIDS:AcquiredImmunoDeficiencySyndorome:後天性免疫不全症候群)とは、HIVの感染によって、この細胞が破壊され、免疫力が低下することで、健康なら何でもない細菌やカビに感染する日和見感染症や、悪性腫瘍が合併した状態を言います。

 治療しなければ感染から数年から約10年後にエイズを発病すると言われています。

 

 HIV感染とは、体の中にHIVが住み着いている状態を言います。

 HIVに感染することと、エイズを発病することは違うことなのです。

 

Q2:HIV感染者及びエイズ患者はどれくらいいるの?

 

 エイズは、1981年にアメリカ合衆国で最初に報告があってから、世界各国に広がっています。2012年末現在、約3,400万人のHIV感染者及びエイズ患者がいると推定されています。

 日本においても毎年1,000人を超えるHIV感染者及びエイズ患者が報告されており、2007年以降は、毎年1,500人前後が報告されています。これまでの累計は2万3千人を超えます。

 日本は先進国で唯一、HIV感染者やエイズ患者が増加している国です。

 島根県では2011年の1年間に計3名の新たなHIV感染者が報告されており、その後2012年には報告はありませんでしたが、2013年には計1名のエイズ患者が報告されました。島根県ではこれまでに、HIV感染者15名とエイズ患者6名が確認されています。

 

Q3:感染経路を知っていますか?

 

HIVは、感染している人の血液や精液、膣分泌液に多く含まれています。HIVは感染力の弱いウイルスですが、これらの体液と体の粘膜(皮膚で覆われていない部分)が濃厚に接触すると、感染する可能性が生じます。

 主な感染経路を紹介します。

 

性的接触による感染

 感染している人と無防備な性的接触をした場合(性器や直腸、口などの粘膜を通ってパートナーに感染する可能性があります。)

 

 予防法:性行為をしない(NoSex)

  相手や自分の感染の有無がわからない場合には、コンドームを正しく使用する(SaferSex)

 

 感染原因の多くが性的接触による感染です。

例え、あなたのパートナーが特定の一人であっても、パートナーが過去に性的接触のあった人の中にHIVに感染した人がいれば、パートナーが感染している可能性があり、その場合はパートナーとの性行為のときに、あなたが感染予防の行動をとらなければ、HIV感染の可能性があります。
また、あなた自身が「いま」パートナーを特定していても、過去につきあった人の中にHIV感染者がいれば、感染予防をしてこなかった場合、HIVに感染している可能性があります。

 なお、ピルはあくまでも避妊薬であり、HIVの感染を防ぐ薬ではありませんので、HIV感染の予防には該当しません。

 

血液を介する感染

 感染している人が使用した注射針、注射筒の共用など(麻薬・覚醒剤の静脈注射などで、血液が体内に入ることで感染する可能性があります。)

 

 予防法:注射針などを共用する行為をしない

 

 なお、現在、輸血用の血液は感染予防策がとられています。

 また、日本では、献血、採血、医療行為を受ける際に使用している注射針はすべて使い捨てまたは消毒済みですから、感染の心配はありません。

母子感染

 感染しているお母さんから生まれる赤ちゃんへの感染(妊娠中・分娩中・あるいは母乳を通じて感染する可能性があります。)

 

 予防法:帝王切開、分娩前のお母さんへのエイズ治療薬の投与、母乳の禁止など

 

Q4:日常生活で、感染者の人から感染するのでしょうか。

 

HIVは感染力が弱く、性行為以外の日常生活で感染する可能性はまずありません。

 お風呂やプール、つり革、手すり、トイレの便座などからも感染しません。

 また、同じお鍋をつつくことでも感染しません。

 ただし、いろいろな感染症を防ぐためにも、血液がつきやすいカミソリ、歯ブラシ、タオルなどの日用品はそれぞれ自分のものを使うようにしましょう。

 

Q5:自分が感染しているかどうか調べるにはどうしたら良いの?

 

 早期にHIV感染を発見するために、HIV検査を受けましょう。

 現在、エイズを完全に治す薬はありませんが、エイズ発症前から治療を受けると、発症を遅らせることができる薬はあります。

しかし、発症してしまうと治療が難しくなります。

 

HIVに感染していても、発症するまで特に症状が出ないため、検査を受けない限り、感染の有無はわかりません。

 自分がHIV感染していることに気付かぬうちに、パートナーに感染させている事例もあります。

 パートナーのためにも、自分が感染しているかどうか確認することは大事なことです。

 

 感染が不安な場合、検査を希望される場合等、保健所に相談窓口(HIV検査(エイズ検査)一覧)がありますので、ぜひご相談ください。

 

Q6:どこで検査が受けられますか?

 

県内各保健所でHIV検査が無料・匿名(名前を言わない)で受けられます。

 ※匿名は遵守され、検査を受けるにあたって、決して保健所から名前を伺うことはありませんので、ご安心ください。

 

保健所での検査の受け方

 

 1.予約

 まずは、保健所に電話していただき、検査の予約をしてください。

 各保健所での検査日は決まっていますので、HIV検査(エイズ検査)一覧で御確認ください。

 なお、6月1日から7日のHIV検査普及週間、及び12月1日の世界エイズデー前後は、別途、夜間や休日にも検査日を設けていますので、各年度の「HIV普及週間」及び「世界エイズデー」のページにて御確認ください。

 

 2.検査

 予約された日に保健所にお越しいただきます。(HIV検査に関わる職員以外とは、出来るだけ誰ともお会いになることのないように配慮しております。)

 説明をさせていただいた後に、検査(腕からの採血)を受けていただきます。特に、服装の規定はありません。

 検査は血液中の抗体などを調べることで行います。(※)

 

 ※正確な結果を得るために、感染を疑う出来事があってから3ヶ月以上後に検査を受けましょう

 実際にHIVに感染してから、抗体ができるまでには、個人差がありますが、2から4週間かかると考えられています。

 また、検査で判定できるまでにはさらに数週間かかると考えられています。

この間はHIVに感染していても、検査では「陰性(=感染していない)」という結果が出ることになり、正確な判断ができません。

 

 

 3.結果

 島根県では全保健所で迅速検査を導入しており、陰性の場合にはその日の内に結果がわかります。

 しかし、即日検査で陽性の結果が出た場合には、100人に1名程度の割合で、感染していないのに陽性(感染している)という結果が出る(これを偽陽性といいます)ことがあるため、「要確認検査」として、陽性かどうかの確認検査を別途行います。このときには1、2週間後に改めて確認検査の結果を聞きに保健所へ来ていただくことが必要になります。

Q7:検査の結果、陽性であることがわかったら、どうなるの?

 

 もし、検査の結果、HIV陽性であることがわかった場合には、カウンセラーによるカウンセリング、エイズの治療を専門としている拠点病院を直接紹介し、専門の治療を受けていただけるよう、サポートします。

エイズの専門病院があります。

 島根県には、エイズの専門病院として、5つのエイズ治療拠点病院があります。これらの医療機関で専門的な治療が受けられます。

 

HIVの治療は急速に進んでいます。

 現在、HIV感染/エイズは、ウイルスが体内で増えるのを抑えながら付き合っていく慢性疾患としての面が大きくなっています。

 他の慢性疾患と同じように、入院することなく定期的に病院に通うことで、コントロールが可能です。

 

これまでどおりの生活を継続していくことができます。

 HIVは性的接触以外では感染しにくい病気です。感染がわかったからと言って、昨日までの生活や周囲の人達との関わりを急激に変えなくても良いのです。

 HIV陽性者の多くが、治療しながら今までどおり学校や仕事を続けています。

 

相談できる窓口があります。

 医療費の負担や福祉サービス、生活費等についていくつかの制度があります。医療機関のソーシャルワーカーや保健所に相談できます。

 

Q8:他に性的接触により感染する感染症がありますか?

 

エイズ以外にも、梅毒、淋病、性器クラミジア感染症など性的接触により感染する病気(性感染症:STI)がいくつかあります。
最近若者の間でSTIが増加しています。性器クラミジア感染症等、STIにかかっているとHIVに感染する確率が高くなります。

 

Q9:HIV/エイズに関して、今私達がすべきことは何でしょうか?

 

 Q4のとおり、性的接触以外の日常生活でHIV感染者から感染することはありません。

 また、HIVに感染している人は、決して特別な人ではありません。

 しかし、エイズ患者やHIV感染者に対する差別・偏見がいまだに存在しており、このことは、感染した人たちが生活していくうえで、大きな障害になっています。

 私たち、一人ひとりがHIV/エイズに関する正しい知識を持ち、家庭、学校、職場等で、HIV/エイズについて話し合い、正しい知識を広めることで、偏見・差別を根絶して行きましょう。

 

 


お問い合わせ先

感染症対策室