ネオニコチノイド系農薬の使用について


 

【提案No.A2025-00093】8月15日受付

 

 私は島根県内において養蜂活動を行っている個人事業者です。飼育している蜜蜂は西洋蜜蜂で毎年7月20日前後に、蜜蜂が大量死するという深刻な被害に見舞われています。今年も同様の被害が発生し、専門機関へ死骸を送付・分析した結果、ネオニコチノイド類系農薬(エチプロール)の痕跡レベルで検出される結果となりました。

 この農薬は、主に稲作におけるカメムシ防除で広く使われており、散布時期と被害発生が一致していることから、因果関係が疑われます。さらに、過去の事例で宍道湖におけるワカサギの絶滅や、在来種である日本蜜蜂の減少など、広範な生態系への影響が懸念されています。

 島根県は、自然との共生を大切にしてきた地域です。このような環境リスクを看過することは、将来の県民生活や農林水産業への打撃にもつながりかねません。

 つきましては、下記の点について、島根県として積極的なご対応をお願い申し上げます。

 

【提案事項】

・蜜蜂大量死・農薬の影響に関する実態調査の実施

・被害状況を国(農林水産省・環境省)へ正式に報告し、調査・対応を求める

・ネオニコチノイド系農薬の使用について、県独自の制限措置・代替農薬への転換支援を検討

・農業者・県民・養蜂家が協力できる対話の場の設置と周知

 

 本提案は、農業者の害虫防除や農薬散布を否定するものではなく、「自然と共生する農業と環境保全の在り方」を模索するものです。未来の世代のために、県としての力強いリーダーシップを心よりお願い申し上げます。

 

 

【回答】9月12日回答

 

 ネオニコチノイド系の薬剤を含む農薬は、農作物の生産に利用されているものもあり、使用にあたっては、農薬取締法により、周辺環境や生態系への影響について十分な配慮が求められています。

 県では、農薬の適正使用について関係機関を通じて周知を行うとともに、無人ヘリコプター等による農薬散布に際しては、養蜂家を含む周辺の環境や地域住民への配慮を行うとともに、使用基準の遵守について関係機関を通じて周知を図っています。

 また、県では、養蜂家の方々への注意喚起(7月)や、農薬使用者に対して農薬の適正使用や関係者との情報共有、コミュニケーションをとっていただくよう周知(8月)を行っているところです。

 今後も、持続可能な農業と環境保全の両立のため、農薬使用者と養蜂家双方の理解促進に向けた取組を継続していきます。

 なお、ご提案いただいた内容に関しての回答は次のとおりです。

 

 蜜蜂大量死・農薬の影響に関する実態調査の実施と被害状況の国への報告につきましては、農林水産省の定める「蜜蜂被害事例調査実施要領」に基づき、現地調査や農林水産省への報告を行っています。

 ネオニコチノイド系農薬の使用につきましては、農薬の登録・使用は、農薬取締法に基づき、国が安全性を評価した上で、使用基準を定めているところであり、本県としては、国が定める使用基準が適切に守られるよう、指導や啓発を行うことが重要と考えています。

 また、農業者と養蜂家、地域住民の皆様の相互理解は、大変重要であることから、県では、現在、農薬散布時期などの周知を通じ、関係者相互で対応していただいているところであり、現時点で、対話の場の設置等は考えていませんが、引き続き関係者の皆様のご理解をいただけるよう取り組んでまいります。

(農林水産部農山漁村振興TEL:0852-22-5109、畜産TEL:0852-22-5136)

 

 

 


[この回答に対する意見募集]

■この回答に対してご意見がありましたら、こちらをクリックしご意見送信メールからお送りいただくか、teian@pref.shimane.lg.jpのアドレスまでご意見を送付ください。
また、しまね電子申請サービスのフォーム、郵便、FAXでも、回答に対するご意見を受け付けています。
ご意見を送付いただく際は、お手数ですが、上記の【提案No.】を件名欄もしくは提案内容欄に必ず記入下さい。


2025年9月項目一覧

お問い合わせ先

広聴広報課県民対話室

島根県政策企画局広聴広報課県民対話室
〒690-8501
島根県松江市殿町1番地   
【電話】0852-22-5770、6501
【FAX】0852-22-6025