周産期医療について
【提案No.A2023-00290】11月15日受付
島根県の産婦人科医療は崩壊の危機にあると思います。
これを解決するために、分娩施設を減らして医師を集約化していただきたいです。
松江・出雲・浜田にお産センターを作り、その他の地域での分娩取り扱いはやめ、その分医師をお産センターのある都市に集約化し、山間部や離島の妊婦さんは、出産前後はそのセンターに泊まり込む形にするべきです。
当然、お産取り扱いをやめなければならない自治体からは反発が出るでしょうが、反対するのであれば、その自治体の長自らが産婦人科医を県外から連れて来ていただきたいです。
若手医師を育てていくことも大切ですが、それでは時間がかかりすぎる上に、今、現場で疲弊しながら働いている医師の姿を見せては新たに産婦人科医になりたいと思うような若手医師もいなくなってしまいます。
産婦人科医がいなくなれば、分娩だけの問題ではなく、婦人科手術もできなくなります。
早急に県内の分娩施設の再編を行い、持続可能な産婦人科医の勤務体制を作っていただきたいです。
【回答】12月6日回答
身近な地域で分娩ができる体制を確保することは、その地域の定住促進につながる大きな要素でもありますので、県では引き続き、二次医療圏における周産期医療提供体制の確保に取り組んでいくこととしています。
県が策定している保健医療計画では、各二次医療圏域において妊婦健診や正常に経過する分娩ができる体制を確保することとしており、医療機関間の連携の強化や、医師と助産師との役割分担による助産師外来や院内助産などの取組を推進しています。
また、周産期医療の中核となる4つの周産期母子医療センターと地域の医療機関との連携強化により、安心・安全な医療が提供できる体制を整備しています。
医師の確保については、これまでも島根大学等と連携して、地域枠医学生等に奨学金貸与の制度を設け、医師の養成・確保に取り組んでおりますが、診療科によっては医師が不足している科もあり、産婦人科においても、分娩を取り扱う医療機関が年々減少するなど、地域の期待には十分に応えられていない状況です。
また、産婦人科などを目指してもらうため、大学などと協力して、周産期医療に興味を持ち、やりがいを感じてもらえるような働きかけや、研修医へ研修資金の支援制度(※1)を設けています。
さらに、「赤ひげバンク」(医療従事者無料職業紹介所)(※2)や、医師とその家族に対する病院等の視察への支援など、病院等と連携した現役医師招へいの取組により、県外在住の医師の県内勤務につなげています。
今後も、持続可能な産婦人科医の勤務体制となるよう、大学や市町村、医療機関等の関係者と連携して産婦人科医の確保に取り組むとともに、大学の協力をいただきながら安心・安全な分娩を行っていくための体制を「島根県周産期医療協議会」(※3)で検討してまいります。
【参考】
■※1「研修医研修支援資金」
島根県内の医療機関で専門研修を受けようとする臨床研修医の方、島根県内の医療機関で勤務しようとする専攻医の方に研修資金を貸与し、充実した研修を行っていただくとともに、県内医療を充実させることを目的とした制度です。
https://www.pref.shimane.lg.jp/medical/kenko/iryo/ishikakuhotaisaku/siennsikinn.html
■※2「赤ひげバンク」(医療従事者無料職業紹介所)
赤ひげバンクは、島根県の地域医療に関心を持っておられる医師、看護職員、医学生、看護学生、薬剤師などの登録制度です。登録者には、定期的に島根県の地域医療に関する情報などを提供します。
また、島根県での勤務に興味のある登録者には、希望にマッチする医療機関を紹介します。
医療機関から県へ提出された医師の求人情報については、県ホームページでご覧いただけます。
島根県赤ひげバンク
https://www.pref.shimane.lg.jp/medical/kenko/iryo/ishikakuhotaisaku/akahigebannku.html
■※3「島根県周産期医療協議会」
島根県において、妊娠、出産、新生児期に必要な医療を供給できる総合的な周産期医療体制を整備し、どこに住んでいても安心して子どもを産み育てることのできる環境整備を推進するため、学識経験者、医療関係者、行政関係者等で構成する協議会を設置しています。
(健康福祉部健康推進課TEL:0852-22-6492、医療政策課TEL:0852-22-5251)
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